階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

5段目【及川side】 ページ6

及川「(忘れてる…ってことはないよね…)」

そう思って1人ビビる
牛乳パンを口に押し込み、レポートをやる
夢中になって書いていると消しゴムを落としたことに気づかなかった

すると…

？「これ、落としたよ」

及川「あ、ありがと」

？「いいえっ」

ニコッと笑ってその女子は同じようにレポートを書き始める

その女子は結構可愛かった

それから何日か、俺の隣はその子だった

？「ねぇ、名前なんていうの？」

及川「及川徹だよ
君は？」

吉川「吉川さわだよっ
よろしくね」

その子は元気系女子でどこかがAに似てるなぁと思った

吉川さんとは結構話したりして俺の仲いい女子にいた

男子「お前吉川と仲いいの？」

及川「いつも思うんだけどなんでお前は俺の仲いい女子に食いついてくんの？

仲いいけど？」

男子「え、いいなー！
俺も仲良くなりてー！」

及川「話せばいいじゃん」

男子「いや無理よー？
吉川って結構モテるんだってー！」

及川「どっからそんな情報とってくんの？
そうなんだねぇ」

男子「付き合っちまえば？」

及川「俺は一途な子がいるので無理でーす」

男子「あ、やっぱりー？」

当たり前だろ、と言って笑い出す
そして再び女子に呼ばれる

この中にAいたらなー…

数十人の女子を一通り見回す
だが、Aはいない。

はぁ…とため息をつくと女子にどうしたの？とか大丈夫？とか、相談なら乗るよ？とか、いろいろ話しかけられる

大丈夫だよ、ありがとうと言って笑うとキャーッという声がする

そのとき…

？「……ぁー！Aに…たか…ぁー！」

途切れ途切れだが、"A"という名前が聞こえた
バッとその方向に目をやるが、そこにはAはいなかった

気のせいかな…でも確かに聞こえたよね…

その子がもしA本人だったとしたら、俺はすごい運の持ち主かもしれない

俺はこの日からAを探すことにした

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