階段から落ちたら「彼女」の世界にいました。

6段目 ページ7

「焼きそばパン美味し…っ」

ここは有名なパン屋さん
ここの焼きそばパンが絶品なの…！

乙葉「本当美味しそうに食べるね…
ここケーキないの？」

「ないと思うよ？パン屋だもん」

乙葉「デスヨネー…」

私が焼きそばパンを頬張ってるとき、乙葉は私に淡々と話をする



パンを食べ終わりお会計を済ませ、外に出る
すると乙葉が私に話しかけてきた

乙葉「てかさ、今まで気になってたんだけど首に掛けてる指環、誰にもらったの？」

乙葉の目線が私の首元になる
私は首元の指環に触れると、徹の話をした

「私の好きな人がね、くれたの
お揃いーって」

乙葉「まじで!?
その人絶対Aに気あるじゃんー！」


いやもう付き合ってるんですけどね…。


その言葉は言わなかった
そして家に帰るため、駅に向かっていたそのとき…

「…乙葉様」

乙葉「え、なに」

「このアニ〇イトというお店によってもよろしくて？」

ふと目をやったところにトッテ〇ーののぼり旗を発見してそれを指差して乙葉に訴える
乙葉はトッ〇ィーをじっと見るとOKのサインを出した

「うえっへーい！」

テンションが上がり、アニメイトに入った
後から呆れ顔の乙葉が入ってくる

その乙葉は入る直前、なにかに気づいたらしく、そちらに釘付けになっていた
私はそれには構わず、アニメのグッズをまじまじ見ていた

乙葉「え、A！ちょっと来て！！」

「え、ちょ…っ」

慌て気味の乙葉に腕をつかまれてアニ〇イトを出る
乙葉の腕を引く力は強く、腕を引かれたままヒールで走る

「え、なに!?
乙葉どうしたの!?」

そう乙葉に尋ねるとなにかを発見したらしく笑顔で指を差す

そして──

乙葉「おーいかわさぁーんっ」

と、私の彼氏の名字を叫んだ

「えっ」

違う…及川だよね
徹じゃないよね

そう自分に言い聞かせ、乙葉の見ている方向を見る

すると…

「と…、おる…？」

乙葉「え？」

「え、徹…なの」

乙葉「え、なに言ってんのA
及川さんと知り合い？」

そんな乙葉の言葉など耳に入ってこなく、私は真っ直ぐ徹を見つめていた

そして徹は乙葉の声に気づいたらしく、パッとこちらを振り向く
そして私と同じように私を見て驚いていた

乙葉「…A？」

青になった信号機。
その瞬間、全速力でこちらに向かってくる徹

「徹っ」

及川「A…だよね!?
うわ、また会えたー！」

そう言って私を抱きしめる
そんな徹の背中に私は手を回す

4年ぶりの再開です。

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