/帰りましょう。112 ページ33
ガタンッと揺れる振動に目を開いた
窓の外は暗く、バスの中の光が少し眩しかった
あ「……ぁ…」
帰って……来たんだ……
周りを見渡せば、チームメイトがぐっすりと眠っている。顧問の先生は、私を振り返って「お」っと声を漏らした
先生「一番疲れてるのはお前だと思ってたから、最後に起きるかと思ってたよ」
あ「…?私なんかより、きっと皆の方が疲れてるよ……」
先生「ははっ、相変わらずだな」
微笑んでから先生はまた顔を前に向けた。あまりにも普通の後継に変な感じがする。夢でも見ていたかのような…
少し肌寒くて、腕を摩ると上着がないことに気がついた
あ「っ……さつきさんに、貸したまま…?」
私は慌ててスポバの中を覗いた。あんなに大量にあったお菓子がほぼ無くなっている。皆さんに配ったやつだ
あ「っ……」
じゃあ、この気持ちも、少し温くなった誰かの温度は……
赤司さん……?
胸の真ん中をギュッと握って、目を瞑った
先生「ど、どうした…?A」
あ「っ!」
先生「具合が悪いのか?」
あ「い、いえ…」
先生「そうか?…病院についたぞ」
あ「はい」
特別に、私だけ降ろしてくれるんだっけ
前まで歩いていき、振り返る。小さな寝息を立てているチームメイト
あ「はいはーい!起きてくださーい!もうすぐ、学校着きますよ!主将!起きて下さい!」
ガタガタッと慌ただしく起きていくチームメイトはとても面白い光景だった。主将に、りんに会ってくる、と声を掛けた
主将「もうそんなとこまで来たの?ふぁ……りんによろしくね〜。後日また皆で会いに行くって言っといて」
あ「了解です」
チームメイトに手を振ってから、バスから降りた
先生がニヤニヤしていたのが気持ち悪かった
・
・
・
ドアを開けると、規則正しい機械の音がした。病院のベッドの上には、さっき見たばかりのりんが寝ていた。私は、イスを持ってきてそこに座る
あ「……りん…あのね、優勝したんだよ。未だに信じられないや………それに、面白い夢を見たんだぁ……」
いや、夢……ではないのかな
ポツポツと合ったことを話す。随分も前にあったことのように思えた。少しふざけて、赤司君と両思いなんだと言ったところで、恥ずかしくなって言葉を止めた
あ「……会いたいなぁ…」
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通りすがり - 高尾くんが死んじゃったときはボロボロ泣いちゃいました。 最後はとっても幸せそうで良かったです!! とってもいいお話をありがとうございました! (2019年10月11日 1時) (レス) id: b376688aed (このIDを非表示/違反報告)
咲 - なっ泣けたこんなに泣いたの生まれて25年初めてです! (2018年1月6日 1時) (レス) id: 86518e5421 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - すいません、91話、【秀徳】が【秀得】になってましたよ。 (2016年9月10日 5時) (レス) id: aa89b6be9e (このIDを非表示/違反報告)
碧覇(プロフ) - とても、面白く、感動的でした! 今後の赤司さんと夢主ちゃんの話が、みたいです!(ただのリクエストですが)これからも応援しています。頑張って下さい!楽しみにしております! (2016年6月28日 20時) (レス) id: 6a9e057f32 (このIDを非表示/違反報告)
乱花(プロフ) - 凄く面白かったです!赤司様大好きなのでよかったです!沢山ある展開にハラハラしながら何回も読み返しちゃいます(笑)別の作品も頑張ってください! (2016年6月25日 5時) (レス) id: accd4d12ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠りん | 作成日時:2016年2月20日 22時