15 元より期待なんてしてない ページ16
連絡しても千年公は来る気配が全くない。本来はこいつを捕らえたら千年公が来て、回収してから報酬を渡してくれるという手筈だった。
ところがどっこい、神田ユウは並々ならぬ敵で、今までとは掛け離れた強敵だ。
千年公はこいつを捕まえるどころか弱らせることが目的だったのかもしれない。いくら再生能力があるとはいえ、繰り返し使えば精度が落ちていくのは当たり前。弱った敵を自らの手で堕とすつもりだったのか？
所詮俺はただの駒にすぎない。つまり使い捨ての可能性が高いわけだ。
「……あーあ、最期がこれとは情けないな」
シルバーのリボルバー式銃を二丁構える。最終兵器だ。ナイフで敵う相手だとは思っていなかったからハサミを使っていたが、これも効果は特になし。ならば仕方ない、愛用の銃でくたばってもらおう。
再生能力があるとはいえ、致命傷を治すには時間がかかる。ならその間に生き返る術をなくせばいい。
「お前の余裕は何なんだ、後ろがガラ空きだぞ」
「はは、そりゃマズイな。それはそうと、イケメンが使うと物騒なもんでもサマになるなぁ、ずるいねぇ」
刀の切っ先をギリギリで避ける。自慢できることではないが、逃げ足だけは早い方だ。
次はこちらの番。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる……実際はそこまで下手ではないが、今回は相手のスピードが今までとは桁違い。ハタから見ればほぼ乱射に近いだろう。
流れ弾が腕に当たった。顔をしかめてはいるものの、大したダメージは入っていないようだ。
だが、この短時間でもわかったことがある。神田ユウは攻撃の際必ず地面を蹴り、軽くでも飛び上がる癖がある。ほんの僅かにだが隙ができるのだ。ギリギリまで引きつけて刀を片手で弾けば至近距離から撃てる。これならガキでも外さない。
「あんたは見たところ18才くらいだな。ならオジサンから警告だ。長年の経験と勘をナメるなよ、クソガキ」
「さっきからブツブツうるせぇな！」
予想通り。挑発すればすぐに乗ってくる。即座に攻撃しようと焦ればどうしても読みやすく単調な動きになる。
ほら、今更驚いた顔しても無駄だぜ。こっちはずっとこの瞬間を狙ってたんだ。
銃声は刀と銃がぶつかった金属音を掻き消すように辺りに鈍く鳴り響く。それに紛れてあの嬢ちゃんの叫びが聞こえた気がした。
「ここで回復されちゃ困るんだ、憎むなよ」
ゆっくりと倒れていく神田の脇腹にもう一発。
神田は小さく呻いて、地面に倒れ伏した。
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湫(プロフ) - 神田ユエさん» こちらこそ拙い作品に最後までお付き合いいただきありがとうございました！応援メッセージもとても嬉しかったです、気が向いたらまた番外編を更新するかもしれませんのでよろしくお願いします。 (2016年7月23日 13時) (
レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
神田ユエ - 感動をありがとうございました！ (2016年7月23日 11時) (レス) id: 1e0d488be5 (このIDを非表示/違反報告)
湫(プロフ) - アイアさん» お返事遅れてすみません。更新は相変わらずノロマですが見放さず最後まで見届けていただけると幸いです。 (2016年5月24日 16時) (レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
アイア - 更新、頑張ってくださいね！無理はなさらないよう体調も崩さないように気をつけてください。お待ちしております (2016年5月5日 23時) (レス) id: ef2d1622aa (このIDを非表示/違反報告)
湫(プロフ) - 名無しさん» 更新は不定期になりがちで申し訳ないです。月に一度は必ず更新するので気長に待っていただけると幸いです (2016年4月25日 19時) (レス) id: e79bcec08f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湫 | 作成日時：2016年3月23日 9時
