5人の怪盗と生きる宝石 第3幕

mission88 ページ9

鳴上嵐side





朱桜｢ここが…換金屋ですか…｣



何気初めて来た換金屋に戸惑いを隠せていない司ちゃんを見てアタシは少し笑ってしまった。



鳴上｢まぁ、確かにお店に見えないわよね。こんなにボロボロだもの。｣



そう、私達の目の前にある換金屋は同じ王都にあるとは思えない程の郊外に建っているうえ、木でできたあばら家なのだ。


店に見えるどころか、人が住んでいるようにも見えない。



そんなボロボロのあばら家に1人浮き足立ちながら歩いていく泉ちゃんを見て司ちゃんが怪訝そうに眉を顰めた。



朱桜｢瀬名先輩…このようなボロ…趣のある建物はあまり好きではなさそうなimageだったのですが…率先して歩いていくとは意外ですね。｣


鳴上｢あー、その理由は後々わかるわよ。｣



そんな会話をしていると、そのあばら家の中から1人の金髪の少年がでてきた。その瞬間…



瀬名｢ゆ〜〜〜う〜〜〜く〜〜ん！！！！！会いたかったよおおおおおお！｣




？｢げっ！？い、泉さん！？｣



家から出てきた金髪の少年に飛びついた泉ちゃん。
そしてそれを信じられないといった目で凝視する司ちゃん。



朱桜｢こ、これは…｣



鳴上｢ちょっと、泉ちゃん、ここに来て早々真ちゃんに飛びつかないの。それに…司ちゃんちょっと引いてるわよ？｣


遊木｢そうですよ泉さん！せめて後輩の前ではちゃんとしてくださいよ…｣


瀬名｢でもぉ…せっかく久しぶりにゆうくんに会えたのにぃ…｣


そう言って真ちゃんのメガネを勝手に外し、真ちゃんのメガネ無しの顔をニヤニヤと見つめている泉ちゃんと迷惑そうにメガネを取り返そうと手を伸ばす真ちゃん。



(あたしの話聞いちゃいないわね。)



収集がつかなそうな事態に思わず溜息を零すと…



？｢お？なんだなんだ？って…Knightsか！久しぶりだな。｣



開きっぱなしになっていた戸口からアタシ達のお目当ての人物が顔をのぞかせた。


鳴上｢あらぁ！真緒ちゃんじゃない。久しぶりね、ちょっと話があるんだけどいいかしら？｣



朱桜｢この人が…｣



衣更｢珍しいな、見たことないやつもいるし…あれ？凛月は居ないのか？｣



鳴上｢そう、凛月ちゃんについてあなたに聞きたいことがあってここに来たのよ。｣



アタシがそう言うとなにかただならぬ状況だと言うのを察してくれたのかふと真剣な表情になった真緒ちゃん。


衣更｢…とりあえず、家あがってけよ。話はそれからにしようぜ。｣







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