僕だけが知っている* ページ19
#真side
知らない方が幸せでいられる事もある。
僕はその言葉は本当の事だと思う。
「真はお母さんと一緒にお料理手伝ってね?」
聖母のような表情で僕に手伝いを求む母さん。ほんわか、ふわふわとした笑顔に周りの人も兄ちゃんも偽りなんて微塵も無いように感じてしまう。
けれど、僕は知っている。
母のその笑顔は“巧妙に作り上げられた仮面”であると言うことを。
「えっ!!真も作ってくれるの!?!?…嬉しいけど……折角なら皆で作ろうよ!!その方が楽しいと思わない?」
兄ちゃんと母さんの纏う雰囲気はどことなく似てると思う。良く分からないほんわかオーラ。
ただ、天然と養殖の差か。それとも僕だけが母の素性を知っているからなのか。…兄ちゃんと一緒に居る時はとても心が安らぐのに、母さんと居る時はどうにも心がざわめいて落ち着かない。
「……それもそうね!!でも…今日はまだ帰ってきたばかりなんだし!!お母さんと真に任せて。ミクは荷物整理してきなさい♪」
ほら、またさりげなく兄ちゃんの提案をスルーした。僕と二人きりになるように誘導してる。
「__ねぇ、真。真もそう思うわよね?」
威圧。
「…う、うん!!兄ちゃん学院にも顔出して疲れてるだろうし……負担はなるべく軽い方が良いもんね…♪」
いつか、いつかは母の眼光から逃げてやろうと思っている。
でもその“いつか”は何時になっても来る気配すらない。
__逆らえないから。
蛇に睨まれた蛙のように、母の眼光に僕の心も何もかもが震えてしまう。“勇気”よりも“恐怖“が大きくリードしてしまうから。
「ん〜…そっかぁ……じゃあまた今度やろうね!!俺二階に居るから〜!!」
本当は僕を一人にしないでほしい。
でも、僕か逆らえずに離してしまったから…また、母さんと二人だ。
ふわふわ、とした笑顔で僕と兄ちゃんの部屋がある二階へと駆け上がっていく。
「………さぁて、真くん。
__“お料理”、始めよっか?」
__“白い悪魔”は今日も微笑む。
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夜空(プロフ) - 続きを心から期待しています。応援しか出来ませんが、頑張ってください。 (2019年3月17日 17時) (レス) id: 71789b4f54 (このIDを非表示/違反報告)
Knightsを護る騎士でいたかった - †鎖羅†さん» 続きとっても楽しみです!!更新待ってます♪ (2017年8月3日 15時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» あと…私事なのですが実は本日私誕生日でして^^*最高の誕生日プレゼントになりました…!!何度でも言います、ありがとうございました((しつこい (2017年7月25日 22時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» 改めましてイメ画本当にありがとうございます…!!私基本3DSからの更新なのですが…タブレットからだと回線重いのか上手く編集画面読み込めなくて載せるの遅れそうです;;ご容赦くださいませ><本当にありがとうございます(・・*) (2017年7月25日 21時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» あとあと…もし宜しければ描き上がったものを作品に載せさせて頂きたいのですが大丈夫ですか?お返事下さると嬉しいです!!応援ありがとうございます(>ω<*)これからも頑張ります!! (2017年7月25日 20時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†鎖羅† | 作成日時:2017年7月17日 5時