第三百十六夜 条件 ページ40
〜ゼインside〜
"ここで働かないか？"
シンドバッドにそう言われ、思わずすっとんきょうな声を上げてしまった。
「働く？俺が？」
「ああ。君の魔導士としての才能は素晴らしい。ぜひ王宮で働いてもらいたいなと思ってな」
「才能、ねぇ……」
本気で何考えてんだコイツ。
思考が理解できねぇ。
「………まあ、そう言い出したのはカーフィアなんだがな」
「カーフィア？………あぁ、コイツの今の名前か」
そう言い、俺はカオンを見る。
頬を緩ませ、幸せそうな顔をして寝ている。
「君の処分を決めている時にカーフィアがやって来てな……『先生を殺さないで』と俺に悲願してきたよ」
「！！」
「『先生には居場所が必要だ。だから、王宮で働かせて』とも言ってきた」
「……っ」
「…………で、どうだゼイン。王宮で働く気はないか？」
真剣な眼差しをし、シンドバッドが俺に尋ねる。
俺はユユに一瞬だけ焦点を合わせると、深く溜め息をついた。
「………まあ、カオンが言うなら仕方ないか」
「！なら……」
「だが、一つ条件がある」
にこやかに笑うシンドバッドに俺はそう言い放った。
そして、シンドバッドの横で突っ立っていた奴を指差す。
「言ったよな？俺、コイツのこと許すつもりはないって。だから……
……━━━こいつの居場所、俺に寄越せよ」
俺がそう言うと、シンドバッドは驚いたようにユユを凝視した。
「居場所、ですか」
「ああ。たしかお前、黄双塔に住んでて、その上この国の政務官もやってるんだってな。まあ実質、書類整理ばかりの仕事らしいが」
「………」
「…そんなんだったら俺に寄越せよ。お前が俺の居場所を奪ったように、俺もお前の居場所を奪ってやるからさ」
「………」
「……なぁ、いいよな？」
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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…？好きです (2021年6月30日 14時) (
レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ！こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます！ (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です！素敵なイラストありがとうございます！ (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ！描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした！(;＞人＜;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます！絵を載せてもよろしいでしょうか……？ (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
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