「ある暗殺少女の話」 ページ35
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「置いてかないでよ……」
大きな木の下で彼女は膝を抱えながらそう呟いた。
彼女の袖や裾から垣間見える手足には青や紫、黄色に変色した痣があった。
「約束、したでしょ……？」
彼がいなくなって何週間経っただろうか。
……いや、もしかすると何ヵ月かもしれない。
「帰ってくるって……また、笑顔を見せて」
無くなった温もり。
聞こえない彼の声。
「寂しい。一人は嫌。独りなら、なおさら」
届くはずもないのに、彼女は呟く。
存在するはずもないのに、彼女は求める。
彼女は彼が羨ましかった。
彼女が持っていないものを沢山持っていたからだ。
「……ねえ、これが"運命"だというの？」
首にかかったらネックレスを見ながら、彼女は悲しそうに呟く。
彼女の周りには、"黒い何か"が漂い始めていた。
「私が何をしたって言うの？悪いことした？誰かに迷惑をかけた？何で、何で……？」
彼女が呟く度、"黒い何か"はどんどん数を増やしていく。
「何で奪うの？何で私が欲しいものは全てなくなっちゃうの？何で、何で……っ！？」
彼女の頬を、一粒の水が伝う。
その水は、どんどん量を増し、ついには彼女の両頬を濡らした。
「寂しい。寒い。辛い。独りは、嫌。寒い、寒い……。冷たい………」
壊れたロボットのように彼女は呟く。
目に光は宿っておらず、焦点が合わない。
そんなん彼女を引き留めようとするように、ネックレスは明るく光輝く。
しかし、彼女の目には入っていないようだ。
「こんな"運命"なんて……
………━━━━━大っ嫌い」
第三百十二夜 もう一度→←花舞花音様と北狐様から 【イメ画】
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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…？好きです (2021年6月30日 14時) (
レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ！こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます！ (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です！素敵なイラストありがとうございます！ (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ！描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした！(;＞人＜;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます！絵を載せてもよろしいでしょうか……？ (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
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