潔癖執事とお嬢様【チョロ松】

執事が二十二人 ページ24

「はぁあ〜……」
「どうかされましたか？お嬢様」


今日の風呂当番は新米メイドの女の子だ。
これまた可愛い子なので体洗って貰えるなんて凄く良いよね。世の中の全男に自慢したい。


そんな私がなぜため息をついているのか、理由は一つ。

今日の私と就寝する当番がチョロ松だから。
なんかチョロ松って、私が眠った後に来て寝て私が起きる前に起きるって言う何時間寝ているのか心配になるような睡眠をする。

寝るまでの時間を大切にして駄弁りながら寝落ちすると言う私にとって地獄でしかないのだ。


なんであんな広いベッドで一人で寝なきゃいけないのよ。寂しさで死ぬわ。


「ちょっとね〜。チョロ松に対しての不満」
「えっ！？チョロ松様、とても魅力的な方だと思いますが…」
「貴方アイツの本性を知らないからそんなこと言えるのよ…」


潔癖を本性と言って良いのか否か、わからないがそう伝えると意外ですねぇ…と言いながらタオルを準備する。

もうそんな時間か…。


「お嬢様、おあがりください。お拭きします」
「ありがとう。貴方もゆっくりお風呂に浸かってね」


恐縮ですと言って笑ったメイドちゃんの可愛さを噛み締めて自室へ。

まだチョロ松はいないだろう。


ガチャ


「うぉあっ！？」
「なんですか、騒がしいですよ」


いないと思ってた相手がいたらそりゃあびっくりするよ！？

今心臓が喉から出そうだし！
驚いて！！


いたのね、と言えば今日は私が当番らしいので、と素っ気ないチョロ松。

いつもの事だけどさ。


「でもどうして？毎度毎度私が寝てからベッドに来て、起きる前にベッドから出るのに…」
「それは……仕事があったから……」
「嘘ね。わかりやすいわよ」


本当の理由は？と訊けば、それは……と口ごもるチョロ松。
そんなに隠し事が好きなんだろうか。


全ての秘密を話せ、とは言わないけど、なんか信頼されてないって感じでちょっと嫌。

まぁ過去とか掘り返す以前にずっと一緒にいるし、チョロ松の秘密なんて大体知ってるんだけど。

例えば掘り返して欲しくない過去として代表的なのが水溜りの上にソフトクリームを落として半泣きになってたあれね。


まぁ、その話は後にしよう。


「とかさー、色々あったよね〜！」
「お願いしますお嬢様、その話はしないでください…」


嘘でーす。

後になんてするわけないじゃん、そんなネタになる話。
これで後5年は弄れると思ってるんだけどどう思う？


とりあえず面白いね！

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