潔癖執事とお嬢様【チョロ松】

執事が二十一人 ページ23

それではまた、と手を振って屋敷を出て行く晶馬君を見送る。
あぁ、最後まで紳士的な子供だった…。


その対応をおそ松にも見習って欲しいと思ったが、きっと無理なのでまぁカラ松さん一松先生トド松せんせに任せるとする。

紳士的な対応をしてくれると思われる人が周りにはその3人しかいないのだ。なんということか。


私コレでもお嬢様なんだけどなー…。
あ、あつしがいたか…。


「お嬢様、ディナーのご用意ができました」
「えぇ、わかったわ。すぐ行く」


部屋で着替えていると、メイドが部屋の前まで来て伝えてくれる。今日の夕飯は一体なんだろう。
ちなみに着替えている理由は、ただ単によそ行きの服では落ち着かないからだ。

会合があるたびにこんな服を着せられる私の身にもなっていただきたい。


とりあえず、部屋を出る。
するとそこには手帳に何かを書いているチョロ松が立っていた。


「チョロ松？何を書いてるの？」
「あ、お嬢様。なんでもございません。さぁ食事に向かいましょう」


？何書いてたんだろ…。
凄い華麗に交わされたけど。


今度あつしにでも訊いてみようかなぁ。

私の中でおそ松は話し相手、カラ松さんは女子としての嗜み係、チョロ松は口うるさい執事、一松先生は勉強できる大人な男性、十四松先生は弟、トド松せんせは女友達、そしてあつしは情報係ってな感じに部類されるのである。


それぞれ性格もそんな感じだし。


「今日は卵のジェラートでございます」
「…」


時々思う。
なぜ意味のわからない料理を食べなければいけないのか。

不味いわけじゃない。しかし卵のジェラートって聞いて食欲はそそられないのだ。


でも美味しい。

口に入れた瞬間広がる風味はもう世界一。


「あー…幸せぇ…」
「A様は美味しそうに私共が作った料理を食べてくれますので、作り甲斐がありますよ」
「あら、それは嬉しいわ。どんどん美味しい料理を作ってね！ところで今日のデザートは何？」


今日はゼリーでございます、と軽く一礼をして厨房に帰るコックさん。
凄いあの人お気に入り。


「お嬢様、お食事が終わりましたらお風呂に入ってくださいね」
「わかってるわよ……」
「いくらお嬢様がお風呂嫌いでも入って貰いますからね」
「流石に入るよ！？」


メイド長とチョロ松2人に叱られてしまった。理不尽だ。

っていうかお風呂嫌いなのは昔チョロ松と入らされてたからじゃん。
何あれ、体の皮捲るつもりで擦ってるでしょ絶対。超痛かったんですけど。

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