60.Happy debt ページ27
大切な人を失うこと、それがどれどけ辛くて悲しい事か。
帰る場所があることが、どれだけ暖かくて優しいものか。
おかえりという言葉にどれだけ救われたことか。
今思い返しても思い出すのは悲しいことばかり、それなのにそれを笑顔に変えてくれた。
「ほら、なにぼーっとしてるの」
Aちゃんまた危ない目にあうよ、と可愛い口調で私の口に人差し指を置いた。
「ご、ごめんなさい。トド松さん」
「うーん」
どこで頭を悩ませてるのか全くわからなかったが、トド松さんは首を傾げた。それを見て私も首を傾げる。
「それ！そのさん付け、なんか距離感じる」
「え、えっ？」
「確かにね、それは僕も思う」
「い、一松さんまで！」
それぞれ夕飯の準備をしていたというのに、私たちの会話の内容が耳に入ったのかみんな私の周りに集まってきた。
さん付けやめよう、そう言われたが敬語もさん付けも、既に定着しつつあるのでやめるだなんて難しい。
「ほら、試しに俺のこと呼んでみてよ」
「え、えっと……お、おそ松？」
「うんうん」
満足したのか口を緩めて私の頭を撫でた。「これからそれでよろしくね、Aちゃん」と言い残して冷蔵庫にワインを取りに行ってしまった。
「僕も！」
「えっと、トド松……」
満足と言い残して行ってしまった。彼の後ろ姿を見ながら1番呼びやすいな、なんて思っていると誰かに袖を引っ張られる。
「お、俺も」
「い、一松…！」
「幸せ借金……多すぎる」
そう言い残した一松にクエスチョンマークを頭に浮かべた私。幸せ借金とは何のことだろう。
「ねぇ、僕も！」
「あ、僕のことも……」
「十四松！チョロ松！」
後から突進してきた十四松と焦るように言ったチョロ松、ふたりは返事をして笑った。それにつられて私も笑う。準備してくると行ってチョロ松は台所へ向かった。
「なんだか慣れないですね、ねぇカラ松？」
「えっ、あっ、あぁ……」
羨ましそうな目でみんなを見つけるカラ松を先程から見ていた、なのでそう言うと照れたように腕で顔を隠す。そんな彼を見て口元が緩んだ。
「私は、そういうところ好きですよ」
「それは狙ってるのか？」
「あはは、まさか……」
口元が緩んだままの私は料理を手伝うために台所へと走って行った。
幸せ借金重すぎますね。戒めないとな。
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青柳(プロフ) - OnePineさん» 嬉しい言葉ありがとうございます、そんなこと言っていただけて本当に嬉しいです。とりあえずこの話を終わらせまして、そこからまた次の話に入るか検討中です。本当にありがとうございます！ (2018年5月12日 10時) (
レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
OnePine - コメント失礼します！この話をもっともっと読んでいたいです。ゆっくりでもいいので続けて欲しいです！よろしくお願いします。 (2018年5月11日 23時) (レス) id: cbe4ed7f38 (このIDを非表示/違反報告)
青柳(プロフ) - ミモさん» ゆっくりと更新していきますので気長にお待ちください〜！！ありがとうございます！ (2018年1月21日 23時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - ハピエン期待ですっ！更新ファイトです！ (2018年1月21日 19時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
青柳(プロフ) - 和奏*(WIIU)さん» ありがとうございます、最新も少しずつですが気長に待っていただけると嬉しいです！ (2017年8月24日 11時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうひ | 作成日時：2016年12月23日 22時
