拝啓、神様 ページ20
駿佑side
ケントと、初めて一日を過ごした
前通っていたときは、お母さんたちにバレないように少しだけしか会えなかったから
それも、僕は日向のポカポカした芝生の上、ケントは暗い木の影で
こんなふうに、ケントと顔を合わせて笑う事なんてなかった
たったの一日で、沢山ケントのことを知った
僕が一方的に話すんじゃなくて、返事をしてくれる
こんな日が来るなんて思ってなくて
夢みたいに、嬉しかった
だから、ケントがたまにする憂いげな表情には気付かないフリをした
他のどんなことには答えても、僕の、「好きだよ」には答えてくれなかったことも
それでも良かった
困ったように笑うケントも大好きだったし、
俯いた横顔はあまりに儚くて、美しかった
なにもかもが好きに繋がって、幸せだった
だから、自分が昨日まで何をしていたかも忘れていた
長『もうすぐ、日が暮れるなぁ』
夕日に照らされたケントの横顔だけを見つめて、
他のことなんて全部どうでもよかった
これからが僕らの始まりだって、
そう信じて疑わなかった
すぐそばでカラスが夕日に向かって飛び立ったのが横目に見えた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
道「寒い…」
長「そらそんなビリビリな服着とってもあったかくないわ、笑」
すっかり日が暮れて、夜の闇に包まれた
今日は冷たい風が吹いていた
月も少し欠けていて、心做しか昨日より辺りが薄暗い
長「…そんなさむいん？」
…あまりにも震えが止まらんくて、めっちゃ心配された
でも寒いもんは寒い
膝を抱えたままうなずいた
長「…」
木の上で30センチくらい開けて座っていたケントが、こちらに手を伸ばそうと動いた
そのとき、
((ｶﾞｻｶﾞｻｯ
遠くの茂みが音を立てた
反射的に顔を上げると、
銃を持ったリチャードとお父さんたちがいた
道「…ぁ、」
声にならない声が出た
ケントは彼らを確認すると、太い木の幹の裏に私の服を器用に引っ張って隠れた
ケントはお父さんたちの方を一瞬見たあと、私に目線を合わせた
長「…まだ、ここに居ることは気付かれてないから、今のうちにあの人たちの所に帰って」
小声で、早口でそう告げた
あぁ、神様、物語はこれからじゃなかったの？
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雪(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ２年越しにありがとうございます！みちながって、やっぱいいんですよね…みちながバンザイ！！ (2022年4月14日 0時) (
レス) id: af20db7013 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(^p^)**(プロフ) - 2年越しのコメント失礼します。みちながを漁っていたらとんでもない神作品を見つけてしましました…。生まれ変わっても愛し合う2人がほんとに天最高です…🥲💞きょへの一途な姿もとても良かったです！素敵な作品をありがとうございました！！ (2022年4月7日 16時) (レス) id: dc37b157ec (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ちゃおちゃんさん» ありがとうございます…みちながよ永遠であれ (2020年12月25日 16時) (レス) id: af20db7013 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃおちゃん(プロフ) - ポロポロ泣きながら、最後まで読みました......みっちーが思い出してくれて良かった(T_T) (2020年12月24日 2時) (レス) id: 4b87ca8bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ひまひま(プロフ) - 素敵な曲でした！ゆっくり雪さんのペースで投稿まってます。 (2020年4月23日 21時) (レス) id: 60918cfcaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2020年4月22日 16時
