無意識なディスり ページ40
開口一番、太宰さんは「すみませんでした」と云った。
扉が開いた音がした瞬間、そちらに目を向けてみれば太宰さん(イケメン上司だが先程ので好感度は暴落している)が土下座をしていた。私が驚きに目を剥いたのも無理はないと思う。それぐらい綺麗な土下座(?)だったのだ。
『ちょ、太宰さん如何したんですか!? あの何時ものクソうざい笑みは何処へ行ったんです!?』
「すごい盛大にディスられた気がするけど……」
太宰さんは顔を上げた。親権な表情で、「本当に、悪かったと思ってる。反省もしてる。この通りだ」と云った後、もう一度頭を下げた。
先程姐さんにはああ云ったが、やはり本人を目の前にしてみれば、少し躊躇の気持ちが沸く。さっき本当に怖かったことは事実。ただし今の彼が本当に反省しているように見えるのも、また事実だ。
しばし脳内の葛藤と格闘する。うぅ、なんて呻き声をあげながら思案している私を、太宰さんは恐る恐る見上げていた。それが目に入って、さっきの彼の、ひどく脆そうな顔をしたことが蘇ってくる。
姐さんが云っていた。子供の癖に大人ぶっていると。
──そんな諸々を総合して、私が出した結論は、
『……次、こんな事をしたら、許しませんよ』
「赦してくれるの!?」
キラキラという効果音がものすごく似合う顔をした彼は、バッと私の方を仰ぎ見た。まるで子犬のようなその行動に苦笑が漏れる。
金輪際しないで下さいねと云えば、もちろん、とニコニコ顔で云われた。正直に云ってこの笑みはクソほど信用ならないが、ここまで来て断るなんてことは──流石の私もできそうにない。私の両手を掴んでぶんぶんと振り回す彼に、また一つ、苦笑した。
そんなことがあってから、およそ十何日が経過した頃。
今日はバーへ行きますかと太宰さんに問えば、彼はそうだねなんて軽く相槌を打つ。
今は任務の帰りだった──マフィアの取引を襲撃しようと考える莫迦が居たので、太宰さんとそこで張った。まぁ簡単に勝てて、今は捕虜として捕らえている。……取引の襲撃。私がマフィアに入ってから、取引が襲撃されるなんて事は一度も無かった。
つまり。もう、原作に突入したんじゃないかと、私は思っているのだ。
……まぁ、それは今日バーに行って、太宰さん達の会話を聞いてから。
私は手を握り締めた。どうやってこの未来が転んで行くのかは、まだ確定はしていない。ただしどうしようもないことが起きる予感は、この時既にひしひしと感じていた。
番外編・もしも探偵社でディ○ニー行ったら→←部下のこんなものを見たらそりゃあ石化する
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白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います!其方もお体に気をつけて下さい! (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい!(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います!此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします! (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年2月24日 21時