脳はクラクラ、負才でバラバラ - (非)日常編 - 42 ページ8
咲「せ、正解はLoseの方だよ……！」
導「それは……どうして」
声を上げた私に一斉に視線が集まる。この時だけは「もしも間違えたら」なんて想像は無かった。これが答えであると、確信していた。
咲「勝負の結果を表す、白星と黒星……それこそが、『Win』と『Lose』の表している答え……！」
白星は、勝利を。黒星は、敗北を表す言葉だ。つまり、この二つの言葉はWinとLoseの意味を持つ。
そして、私たちが切るべきは“黒”……つまり、Loseの方の導火線だ。
パチパチパチパチと拍手が起こった。音の出先は黒川くんと、真凜ちゃんだった。
崇「お見事ー。オレが手を貸すこともなく正解するなんてやるじゃん、使いちゃん」
真「こんななぞなぞを仕掛けてくるなんてモノイムも暇なのかなぁ……」
どうやら二人はとっくに答えが出ていたみたいだ。でも、そうだとしたらどうしてわざわざ私に答えさせたのだろう。二人がさっさと導火線を切ってしまえばよかったのに。そう思っていた矢先だった。
朧「咲良ちゃん、凄いね！私、全然分かんなかったよ……なんか名探偵みたいだった！」
瀀「頭が固いと、こういう問題には対応できないな……助かった」
蓮「格好良いねー咲良ちゃん。『それこそがWinとLoseの表している答え……！』だって！なんかのゲームとかにありそう〜」
私を取り囲むようにして、称賛の言葉が溢れた。褒められ慣れない私は嬉しさと同時に恥ずかしさで体温が上がっていく。
咲「あっ……えと、そんな……」
真「ふふ、咲良ちゃんは私の誇れる相棒だよ」
ふんわりと花の舞うような笑顔で彼女は私の手を取って、握手を交わした。みんなから認められたような気がしてなんだか少し成長したような気分になる。
……二人がわざわざ私に回答権を委ねた理由が分かった気がした。
泡「そうと決まったら、導火線を切らないと……！あと2分しかないよ……！」
美「あっ……、これ、あげる。……黒川さんが、持っておけって」
美宏くんから差し出されたのは小型のニッパーのような物だった。これなら簡単に導火線を切ることが出来る。これまた名前の挙がった黒川くんがどういう意図で彼に渡したのかは分からないが……今は有難く使わせてもらおう。
ニッパーを持つ手に力をこめる。この行動に、迷いはなかった。
プツン＿＿＿
切れた白い導火線。
進み続けていたタイマーは、止まっていた。
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桜子(プロフ) - そなさん» コメントありがとうございます✨ここまで読んでいただけてとても嬉しいです！次週から裁判編へと突入していきますので、今後とも楽しんでいただけたら幸いです♪ (2023年3月25日 17時) (
レス) id: ec8bf151a4 (このIDを非表示/違反報告)
そな(プロフ) - この作品を知ってここまで一気読みしてしまいました…。すごく面白いです、これからも頑張ってください！ (2023年3月23日 22時) (レス) id: 8240083825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おーすりー | 作成日時：2023年3月11日 9時
