鷹の目 ページ48
一瞬感じた邪悪な気配。
千里眼を操るAが気配を察知する能力が高い事など明々白々。
大きく身体をヨロめかせた彼が地面に膝をついた直後。
原田「わ、悪ぃ！！」
掴まれた両手と口元が瞬間に解放された。
激しい目眩に襲われながら声のした方向を見ると、動揺する原田と威嚇するような永倉がいる。
僅かな安堵を覚え、Aはフラフラと立ち上がった。
千鶴はと言うと、彼等三人を見つめながらAが持っていた荷物を拾い集める。
原田「悪かったな。
まさかコケるとは思わなくてよ。」
揶揄するような原田の口調は、まるで小馬鹿にしているようにも聞こえる。
対して、永倉。
彼はと言うと、Aを見つめる面持ちは激しい軽蔑。
訝しげに眉を顰め、無遠慮に視線を送り続けると引き結ばれた口を開いた。
永倉「なぁ、お前等は俺達に監視されてる事を忘れたわけじゃねぇよな？
誰の見張りもなく土方さんはお前等の外出を認めたのか？」
途端に原田の表情からも笑みが消えた。
その眼光に宿るは、彼を認めていない二人の心情が伝わってくる。
だから、原田と永倉は彼を取り押さえようと動いたのだ。
侵害だが、逃走していると思われたらしい。
貴女「私は土方君の意向に従ったまで。
彼女のお買い物のお手伝いは立派な傭兵の仕事です。」
荷物を拾い終わった千鶴は気まずそうに身を竦めていた。
千鶴に優しく微笑みかけ、荷物を受け取ると二人に鋭い眼差しを向けた。
貴女「元より、私は信頼が売りの傭兵『鬼殺し』。
それは侵害と言うものだよ、原田君、永倉君。」
そこで原田も永倉もやっと肩の力を抜いた。
威圧態度が消えた気配を敏感に察し、二人に見張られながらも買い物を再開させた。
だが、と彼は思う。
貴女「さっきの邪悪な気配・・
あれは勘違いじゃない。」
原田と永倉に押さえつけられた、あの一瞬に確かに感じた。
二人の気配と酷似していたが、全く違った事にAは、もう気がついている。
再三、千里眼を開こうと試みるが、すぐに諦めた。
頭痛と耳鳴り、激しい目眩は彼の限界を明白に伝えてきていた。
自室での透視、千鶴の経由で精神を消耗した彼に、再び千里眼を開く体力など残っていなかった。
買い物をしながら歩く彼等を遠くで見つめる者が数名、京の路地から顔を出していた。
標的を狙う鷹の様な鋭い目は、真っ直ぐとAに向いていた事など、知る由もなかった。
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞いえ、そう質問してくださると私も勉強になります！ありがとうございます！ (2015年3月28日 17時) (
レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません！！(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません！ (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね？ (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆＞それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
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