少女と青年 ページ40
池田屋を出て近藤と土方と目を合わせた瞬間、彼に意に反して千里眼が二人の記憶を映し出した。
遠い過去の事。
試衛館と書かれた看板の道場には二人の少年と土方、井上、そして近藤がいた。
楽しそうに微笑む少年の一人は沖田だ。
そして、もう一人は幼い頃のA。
『Aの人生、俺に預けてみないか？』
真っ直ぐで偽りのない近藤の目がAを捕え、ソッと木刀を幼いAに渡した。
迷いながらも、その木刀を受け取ってAは嬉しそうにハニカム。
その頃から変わらない彼の明眸は夜陰の様に深い黒で、そして美しい。
近藤「鬼殺し君？」
貴女「っ！？」
身震いと同時に千里眼は消滅した。
千里眼ではなく、現実の近藤は返り血のこびりつく姿でAを心配そうに見つめていた。
その少し後ろには、土方が怪しむ様に彼を見つめている。
近藤「どうしたんだい？
どこか痛いのか！？」
意識を現実に戻したAはゆっくりと首を左右に振る。
貴女「どこも痛くありません。」
無傷だと言う事は一目瞭然だった。
人を斬ったと言うのにAには一滴の血も付着していない。
彼の白い袴は暁光が混ざる夜空を反射させて輝いて見える。
土方「・・・。」
だが、土方だけは怪しんでいる鋭い目をAに向け続けていた。
纏わりつく視線を無視し、Aは二人から離れようと、その場から動いた。
土方「お前、名はなんて言うんだ？」
不意に土方が彼の背に向けて問うた。
一度足を止め、軽く振り向くと、
貴女「私の事は問わず、聞かずと契約の際に了承を得たはず。
私には黙秘する権利がある。」
と、冷淡な瞳でキッパリ告げた。
再び歩き出したAの背から視線を外さず、土方は低い声で近藤に囁く。
土方「ありゃ、属に言う『神の申し子』って奴だろ。
何せ戦いで返り血を浴びねぇんだからな。」
近藤「・・トシ？」
近藤が首を傾げると同時に、更に鋭く目を細めた。
土方「俺が知る限り、そんな奴は一人しか知らねぇ。
鬼殺し・・・、アイツは何者だ？」
天然理心流、平晴眼の構えを使う剣客。
土方は脳裏に一人の少女を浮かべ、暁光に照らされた凛々しい若侍をその少女と照らし合わせていた。
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞いえ、そう質問してくださると私も勉強になります！ありがとうございます！ (2015年3月28日 17時) (
レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません！！(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません！ (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね？ (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆＞それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
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