見える走馬灯 ページ36
近藤「行くぞ！」
近藤の雄々しい声が響くと、勢いよく『池田屋』と書かれた宿所の扉を開け放つ。
近藤「会津藩お預かり、新選組！
詮議のため、宿内を改める！」
Aは声を張り上げる近藤をただただ背後から見つめるだけだった。
彼は夜陰に似た瞳を光らせてはいるが、無関心と言って言いほど、その明眸には何も映らない。
すでに斬りあいが始めっている池田屋には、鮮血の生臭い臭いが立ちこめて咽返りそうだ。
壁や天井には斬られた者の血がこびりつく。
激しい断末魔を聞く度、彼の千里眼には斬られた者の記憶を映し出した。
貴女「走馬灯・・か。」
それは言わいる『走馬灯』と呼ばれるものだ。
死んだ者が最後に思い出す己の人生が、Aには見えるのだ。
浪士「この野郎！！」
沖田「ふん！」
怒号を上げて斬りかかった浪士を沖田は虫を払うように斬り捨てた。
だが、沖田の背後から別の浪士が襲いかかる。
シュッ！
浪士2「くっ！」
沖田「！？」
Aは浪士の肩に向けて武器用の針を放つ。
痛みに浪士が顔を歪めた瞬間、
浪士2「ぐわっ！」
すかさず沖田が斬り捨てた。
そして沖田は返り血を浴びた顔をAに向ける。
沖田「お礼なんて言わないからね。」
狂気じみた笑みだけ残し、沖田は池田屋の二階へと駆け上がった。
それに続くは藤堂平助。
戦う気が無かった彼だが、僅かに興味を抱いて抜刀すると奥へと進む。
浪士3「この餓鬼が！！」
暗くて何も見えないが、Aの純白の袴はよく目立つ。
浪士が斬りかかるが、彼はあっさりと斬りつけてしまった。
貴女「走馬灯を見るのも楽じゃないね。」
Aを避けるように血は辺りに舞った。
近藤「！？」
返り血を全く浴びないAを近藤は信じられない物を見るように見る。
まるで血が彼を避けているようだった。
温和な色を宿したまま、Aは沖田や藤堂を追いかける様にして二階に上がった。
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岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞いえ、そう質問してくださると私も勉強になります！ありがとうございます！ (2015年3月28日 17時) (
レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 岬鬼さん» いえ、こちらこそ間違えてすみません！！(>_<) (2015年3月28日 9時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - シープJrさん» シープJrさん＞はじめまして、コメントありがとうございます。 いえ、主人公は女の子になります。男装している設定なんですが、わかりにくくて申し訳ありません！ (2015年3月28日 5時) (レス) id: 2c654a1a4c (このIDを非表示/違反報告)
シープJr(プロフ) - 質問なんですが、夢主は男ですよね？ (2015年3月28日 0時) (レス) id: 1811e5b73e (このIDを非表示/違反報告)
岬鬼(プロフ) - ☆晴華☆さん» ☆晴華☆＞それと、映画があんまり好きじゃないかな汗 大音量で聞くのがちょっと苦手(~_~;) (2013年8月24日 7時) (レス) id: 37539a4d10 (このIDを非表示/違反報告)
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