【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が86こ ページ39

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「A！赤司君にお弁当作るんだって？！赤司君に！愛妻弁当を！作るんだって？！」

『なっ、何で知ってんの？！』

「バックアップはお兄ちゃんに任せろ！新鮮な食材なら既に用意しておいた！」

『……いやあの、冷凍食品で良いって』

「あの赤司君に冷凍食品……？！……正気？！」

『……』



無理だった。
家に帰ったらお兄ちゃんが何故か私の事を玄関で待ち構えていて。
手に持っている袋には、野菜やら卵やら色々入っている。



大分やる気満々のようだ。
こうなってしまうとお兄ちゃんは物凄く面倒くさくなる。
……あ、ていうかこれなら！
私の代わりにお兄ちゃんが作れば！



『お兄ちゃん！』

「そんなの許すはず無いでしょ！！！」

『え』

「基本Aが作る！じゃなきゃ愛妻弁当とは呼べない！」

『愛妻弁当……？』

「キッチンに直行だ！」

『ちょっ、私何も言ってないのに！』



何で私の周りには人の話を聞かない奴が多いんだ。
お兄ちゃんは私の腕を引いてキッチンへと連れて行く。



逃げ出そうとしたけど、仁王立ちのお兄ちゃんに阻まれて無理だった。
渋々キッチンに立つ。



「お重作るか！」

『いや普通で良いから！』

「……普通、うーん。」

『だ、だから卵焼きとかミートボールとか。おにぎりとか、ウインナーとかポテトサラダとか！』

「分かった、とりあえずおにぎり作ろう！」

『……どうやって作るの？』

「簡単簡単！Aでも美味しく作れる！」



炊かれたご飯と海苔を渡され。
私は別に赤司君なんかにお弁当なんて作らなくても良いと思ってるけど、お兄ちゃんが煩いから仕方無く。



私の横でお手本を見せてくれているお兄ちゃんに、溜息をついた。
大体何で付き合ってもないのにお弁当を作って渡すとか彼女みたいな事をしなければいけないんだ。
むすっと頬を膨らます。



「それで、丸い三角を作った後にちょっと加工してあげれば……ハート型のおにぎりが作れるという訳だ！」

『は、ハート型？！い、良いよそんなの！私のお弁当じゃないんだよ？！普通で』

「この調子で女子力アップお弁当をAに伝授しないとな！」

『聞いてないし！』



そんな訳で、お兄ちゃん指導の元作られたお弁当は……正直渡すにはとてつもなく恥ずかしいお弁当となってしまった。




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