【赤司征十郎】私はたらしドS赤司君が嫌いです。2【黒子のバスケ】

意地悪が87こ ページ40

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翌日のお昼。



昨日言ってた事忘れてますように！と昼前までに散々祈ったけど、赤司君はさも当然のようにお昼になると私の元へやってきて。



「お弁当、作ってきた？」

『っ、わ、私屋上で食べるから！』



昨日のお弁当は持って来たけど、さすがに教室で渡すのは周りの目もあるし恥ずかしい。
だから屋上に行く、それだけ言って教室を出ると後ろから付いて来る赤司君。



『なっ、何？』

「お弁当が入っている袋。いつもより大きいよね、2人分あるから？」

『……っ、お金あるでしょ！購買で買ってきなよ……』

「今日は持ってないよ。昨日言っただろう？」



駄目だ私のお弁当食べる気満々だ！
結局屋上まで赤司君と一緒に来てしまい、人気の少ない所に私が座ると赤司君も目の前に座る。



どうやっても逃げれない、渡すしかない。
じーっと私を見つめる視線に耐え切れなくて、私は袋の中から昨日作ったお弁当を赤司君の目の前に置いた。



「何だ、やっぱり作ってきてくれたんじゃないか」

『……っか、勘違いしないでよね！りょ、料理の練習ついでに作ってただけで、失敗作……そう！それは失敗作のお弁当だから！赤司君には失敗作がお似合いなんだから！』

「……ふーん。……その割には、随分と手が凝ってるみたいだね。ハート型のおにぎり？……小さいオムレツの方はケチャップで小さく好きなんて書かれてるけど」

『それはお兄ちゃんが勝手に書いたの！これ全部お兄ちゃんが考えたやつで……わ、私の意思じゃないから！』



これじゃあまるで私が赤司君の事を好きみたいじゃん！
そう怒ったけどお兄ちゃんの耳には届かなかっただけで！



私が考えたんじゃない、横を向くと少しだけ黙った赤司君。



「……じゃあこのお弁当は、Aじゃなくてお兄さんが作ったの？」

『……作ったのは私……お兄ちゃんは横で指導して、見本として作ったものはお兄ちゃんが自分でたべちゃったし……』

「そう、なら良い。ありがとうA。頂きます」



何だ赤司君が素直に私にお礼を言うとか珍しすぎる。
面食らって黙ったまま赤司君を見ていると、私が作ったお弁当のおかずを一口。



「……」

『……』

「……意外と美味しい」

『意外とって何よ……』



やっぱいつもの赤司君だった。
褒めるにしても余計な一言が入ってるのが赤司君だよね、うんうん。
じゃなきゃ調子狂う。




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