【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ48)

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4章　夜の街を共に( 1 ) ページ48

改めて夏目くんと買い物の約束を交わしてから二週間程が経ち、ついにその日はやってきた。

風邪自体はあれから直ぐに良くなったので何時でも良かったのだが、夏目くん曰くまだ病み上がりで心配だからと時間を置くことになった。(…あれから何度か夜の街に出ていた事は彼に内緒である。)

目が覚めたのは17時半、普段よりも早い時間だったけれど身体は不思議と動いてくれた。怠さは幾らかあったけどそれも常時の物と比べると遥かにマシと言える程度だった。

(……私の身体、お友達とのお買い物で浮かれてるのかな。)

そんなくだらない事を考えながらも身体をベッドから起き上がらせる。折角早く起きる事ができたのだから少しだけ、おめかしをする事にした。…誰かと出掛けるときくらい少し自分に気遣うのは良いことだよね。

普段通りの身支度を済ませれば何時もはあまりお世話にならない化粧道具が入ったポーチへと手を伸ばす。…と言っても、私はあまり自分を飾ったことが無いから詳しいことは分からない。だからほんの気持ち程度、見様見真似で化粧を施し始めた。

(……変ではないはず。うん、何時もよりは目元もかわいい、……気がする。)

…折角なので、ネイルも付けることにした。取り出した色は淡い赤色にラメが散りばめられたジェルネイル。爪へと色を這わせれば小さなラメ達がきらりと蛍光灯の灯りで煌めいて。うん、いい感じ。

精一杯めかし込んでみたのだから、やっぱり少しは気付かれたい気がする。別にかわいいと褒められたい訳では無いけれど、普段はしない事をしてみたので何か言葉が欲しい…それだけだった。

(……夏目くん、気付くかなぁ。)

そんな少しの期待を胸中に抱きながら、私は玄関の扉を開けた。