19 - 6 イヴ ページ7
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「返礼祭？」
そう、ぽつりと凛月は言った。
それに、レオは同じくぽつりと、一言。
「違うだろ」
「ええ…、何で…？」
「返礼祭なら、もう″動いて″なくちゃダメだろ
でも、実際は何も動いてない」
考えるような仕草をしながら、凛月は小難しい顔で布団に寝転んでいる。
「…じゃあ何？
…Aがおかしかったこと
……俺達が、Aを悲しませちゃったこと？」
「それは心当たりがありすぎる」
渋い顔でレオはそう答えて、白い紙を片手でヒラヒラと振った。
「……確かに」
「それを言ったら、返礼祭だけじゃない
これまでのイベントの多くで、おれたちはアイツを傷つけた
おれを筆頭に、おまえだってセナだってナルだってスオーだって
無意識に、たまに意識的に、おれたちは度々アイツを攻撃してるんだよ」
枕を抱き締めて、顔を埋めるような形で、凛月は真顔のレオを見上げる。
真面目な話、特にAの話になると、レオはよく真顔になるものだった。
「…まあ、一応今は俺達も″シナリオ″通りに進めてはいるけど
期限は近いし、この返礼祭から変えていくのも手ではある」
「変えるって言ったって、結局どう変えれば良いのかも
Aが実際何を望んでるのかもわかんない」
pocketから手帳を出して、tableに放った。
それを、凛月は布団から這い出てきてつまみ上げ、中を見るなり目を丸くする。
「…これ、」
「おれたちの事でいっぱいだよ
寧ろこっちが恥ずかしくなるくらい
おれたちはあいつにずっとずっと愛されてた
…ううん、愛されてる、今もずっと」
目を細めて、笑った。
優しい笑みだった。
「あいつは、自分自身の悲しみなんかどうでもいい
…おれたちが、他人が泣く世界を
悲しむ世界を、作りたくない」
「…Aは、俺達のこれまでとこれからの″悲しい記憶″を塗り替えたかった
でも、俺達にとってその記憶ってのは、単なる悲しいってだけのものじゃない」
「これがあるから、おれは今ここにいる
おれたちは今、こう″在る″」
ぎゅっと握りしめた拳を、胸に当てて。
駆け巡る記憶達を、脳裏に呼び起こし、焼き付けて。
「おれたちはまず、返してやらなくちゃいけないんだ
今まで一杯貰ってきた愛を」
「…そうだねぇ、王さま」
静かで小さな夜に、小さな愛。
その愛がどうか、月と共に精一杯、輝きますように。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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