第六十八幕『信じて、願ふ』 ページ33
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「世界を消すのは、案外簡単だぞお
Aさんが眠って、君達が集めた鍵をこの儀式の生け贄に捧げる
最後に、俺が術式を起動するだけ」
謎の空間の中で、俺達5人とママが、相対して。
「Aさん、こっちへ」
手招きするママに、Aはセッちゃんの顔を見上げ、素直には従わなかった。
「…イズミさん」
「…大丈夫
後できっと、また会えるから」
微笑んだセッちゃんは、綺麗だった。
……ただ、それだけ。
「はい、…また」
するりと、離れた手と手。
離れた瞬間にそらされた、セッちゃんの瞳。
「準備はいいか？
レオさん、イズミさん、リツさん、嵐さん、司さん、Aさん」
これが終わったら
俺達はまた、巡り会えるんだろうか。
また、運命は俺達を繋いでくれるのか。
ろくな行いをしてない俺が、言うことでもないかもだけど。
「A！」
ママの傍の、Aが振り向いた。
レオは、何でか笑っていた。
「世界の果てまで、会いにいく！
覚えてても、覚えてなくても！
おれの音が、おまえを繋いでくれるから！」
太陽のように笑ったレオに、つられるようにしてAも笑った。
魔法みたいだった。
「…はい
また会えます」
単純なこと。
Aが笑っていれば、それで。
「Aさん」
ママが、Aさんに手を当てると、そこに術式が展開される。
すぐ後、それが催眠術だとはっきりわかった。
「鍵をAさんの回りに
…気になることがあるのなら、今のうちに消しておいた方が良いぞお」
そう告げたママに、俺達は聞くわけでもなく
それぞれに思うことを抱えながら、”鍵”を置く。
でもナッちゃんだけ、その手が止まっていて
その声が、はっきり響いた。
「もう、これ以外に
…本当に、…方法は無いのよね」
「……、ないぞお」
その声に、スーちゃんも止まる。
「この身を懸けても、……尚変えられませんか
………私達が導いてしまった、…この世界は」
「…変わったとしても
それはAさんが悲しむんじゃないか？」
皆、Aには笑っていてほしいから。
「…大丈夫だよ
…音が、繋いでくれるんでしょ」
気付いたら、そう言っていた。
確証もないものを信じてやろうと
何故か、そう思えたから。
「…そうだねぇ」
小さな相槌が、その時だけ
自棄に大きく聞こえた。
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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