第286話 ページ7
アラジンside
僕たちの前に現れた、Aおねいさんが苦手な人に風が纏わりつく。
前、ジュダル君に使った魔法だった。
ここ数ヶ月で、おねいさんが作った魔法の数はどれくらいだろう。
とにかくたくさん作っていた。
――――
――
アラ「また新しい魔法かい? 見せておくれよ!」
A「いいですよ! 今回も風魔法でね、・・・“アスファル・モルビド”!」
アラ「うわっ!!・・・す、すごいや、魔法のターバンみたいだよ!」
A「もう上下動だって制御できるんですよ、“アスファル・シュール”!」
あれも、人を乗せて浮かせるだけの魔法だった。
あの人が作るのは、全部柔らかかった。
あの人が一番練習したのは、ボルグを大きく張ることだった。
攻撃なんかに魔法を使うものか、って、言ってるみたいだった。
無意識に使っていた魔法が治癒魔法だったからなのか、前に風魔法の暴走をさせたことがあるからなのかわからないけれど、魔法を使う相手を決して傷つけようとはしなかった。
それは、僕がAさんを尊敬できるところでも、心配するところでもあった。
まるで、自分が傷つくことだけは恐れていないようだったから。
――
――――
スラ「えい」
クトゥー・スラは、短剣で風魔法を易々とはじき、消してしまった。
Aさんはただひたすらピスティさんを取り返すことだけ考えていて、クトゥー・スラに向かって、既に全力疾走してしまっていた。
そして彼は、懐からもう数本短剣を取り出しAさんの足元に投擲した。
このくらいならおねいさんは避けられる、と彼の攻撃を侮った瞬間だった。
三本の短剣が床に刺さった。
その上をおねいさんの足が通る。
そして、短剣が刺さったところから氷の矢が四方に飛び出した。
A「っ!! ピスティさん・・・!」
ぐしゃ、とおねいさんの脚に刺さる。
バルバッドでウーゴくんの胸を貫いたジュダル君の魔法を否応なしに思い出した。
これは、高度な魔法道具だ。
アリ「Aさん!」
白龍「A殿!!」
僕らは氷の矢を薙ぎながら駆け出す。
おねいさんの傷を見届けると、クトゥー・スラは立ち去ろうとピスティお姉さんを抱えたまま窓へ向かおうとして、スパルトスお兄さんに阻まれた。
モル「立っちゃ駄目です!Aさん!!」
モルさんの声に、視線をスパルトスお兄さん達から手前に向ける
A「何で・・・治らないの?!」
焦った声が痛々しかった。
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カルティ(プロフ) - 凛さん» 長らくお待たせしてます。凛さんのコメントに、本当に救われます…!凛さんに宛てる心づもりで書いていきたいです。どうぞ、今後もよろしくお願いします!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: 8b553715eb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 更新ありがとうございます。このお話が大好きで、ずっと楽しみにしていたので、とても嬉しいです!続き楽しみに待っています。 (2020年4月26日 0時) (レス) id: 119aca1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 幽さん» 幽さん、コメントありがとうございます。温かい言葉に支えていただき、今日更新に至りました。これからもお待ちいただけたら嬉しいです!これからもどうぞよしなに。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 夏澄さん» 夏澄さん、ありがとうございます!更新しました!!読みやすいと言っていただけて口が緩むのが抑えられません…!読みにくさを気にしてるので本当にうれしいです。今後もどうぞよしなに〜。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - Msさん» Msさん、ありがとうございます!落ちは最後まで明かしませんので、どうぞこれからもよしなに。マスルールとももだもだできるといいなと思ってます(笑) (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2015年7月30日 19時