第287話 ページ8
スパルトスside
何をした。
窓辺へ歩き出したクトゥー・スラのその行動を阻む
こいつは、一体何を。
スラ「…ちっ」
目前の敵は懐からさらに短剣を取り出した。
そして、邪魔になったピスティをどうしようかという躊躇を、一瞬、見せた。
その一瞬で良い。
私は、こいつに、何をしていい?
スパ「―――――――― 命は要るか?」
スラ「っ………!
い、いやだ! 助けて!スパルトス様!!」
呆れるほどに手の平を返したクトゥー・スラは、短剣から手を離し、それは落ちてカランカランと情けない音を鳴らした。
Aを、ピスティを傷つけておいて。今更。
丸腰になった男の首に我が槍を突きつける。
シン「―――待てスパルトス!!」
王の私を呼ぶ声に、はっと我に返って、クトゥー・スラを
違う。
瞬きの間に、目の前のクトゥー・スラだと思っていた青年は、違う人間になっていた。
体格はさして変わらないが、顔も、髪も、奴とは違う。変身という言葉が相応しい。違う人間に、なっていた。
見知らぬ青年はピスティをそっと床に横たえてから反意がないことを見せるために両手を上げ、ガタガタと歯を鳴らし、私に命乞いをしている。
槍を下ろしはせずに扉(があった場所)の方に目を向けると、王やマスルール、エギーユ君の姿があった。そして、モルジアナに宥められながら座って項垂れるA。走ることに長けた脚から血を流していた。
アラジンたちも、やはり困惑した顔でこちらを窺っている。
ヤム「あの女は!?」
直後、ヤムライハ殿が窓から入ってくるなり挙げた大声により魔導士の女に逃げられたことを知る。
アリ「ヤムライハさん、Aさんの怪我を診てください! 治癒魔法で治らないって…」
ヤム「な、何よこれっ、それに魔法道具がなんでこんなに…」
A「私は良いですからそれより、ピスティさんはどうなんですか!」
白龍「A殿座ってください傷が広がります!」
Aの代わりにモルジアナがピスティに近づき、抱き上げて心音を確かめた。動いてます、と告げてAの隣へ戻る。…誰もが小さく息を吐いた。
十数人の靴音が近づいてきていた。
―――――
キリが悪いながらNEXT⇒
2018.02.03訂正
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カルティ(プロフ) - 凛さん» 長らくお待たせしてます。凛さんのコメントに、本当に救われます…!凛さんに宛てる心づもりで書いていきたいです。どうぞ、今後もよろしくお願いします!! (2020年5月2日 18時) (レス) id: 8b553715eb (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 更新ありがとうございます。このお話が大好きで、ずっと楽しみにしていたので、とても嬉しいです!続き楽しみに待っています。 (2020年4月26日 0時) (レス) id: 119aca1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 幽さん» 幽さん、コメントありがとうございます。温かい言葉に支えていただき、今日更新に至りました。これからもお待ちいただけたら嬉しいです!これからもどうぞよしなに。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - 夏澄さん» 夏澄さん、ありがとうございます!更新しました!!読みやすいと言っていただけて口が緩むのが抑えられません…!読みにくさを気にしてるので本当にうれしいです。今後もどうぞよしなに〜。 (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
カルティ(プロフ) - Msさん» Msさん、ありがとうございます!落ちは最後まで明かしませんので、どうぞこれからもよしなに。マスルールとももだもだできるといいなと思ってます(笑) (2019年11月30日 18時) (レス) id: c008cc11a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カルティ | 作成日時:2015年7月30日 19時