Past.【月永レオ】 (ページ2)

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ジリリリ、と。聞き慣れない目覚ましの音で目を覚ます。
…携帯の目覚ましにしたはずなのに、おかしいな。レオが止め忘れたのかもしれない。今日は仕事ないし、もう少しのんびり寝ててもいいよね…

ごろん、と寝返りをうつ。
レオはまだ出てないのかな。足音が聞こえるから、あと少しで出ると思うけど。

目を瞑って、体を丸める。気持ちいい、布団と結婚したい…

そう思いながらまた寝返りをうつと、足音が聞こえてきた。それはどんどん近付いてきて、レオかな、とか思いつつ、私は特に気にしていなかった。

足音はぴたりと止まる。それと同時に、今度はノックの音が聞こえてきた。

やけに急いでるな、というかノックしないで入ってきても別にいいのに。

向こうから入ってくるのを待とう。私は布団を頭までかぶった。

けれど、それはすぐに剥がされてしまった。

「…A！！起きなさい、遅刻するよ！」

聞き覚えのある、声。
いきなり光を見せられて眩しく、細めた目から見えたのは…

「…っ、お母さん…！？」

ここにはいないはずの、母だった。