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私はショッピングモールに来ていた。
あのあと、新しく服を買おうと思った。
次会う時も同じ服だったら引かれちゃうかも、と思ったからだ。
今までこんなこと気にしなかったのに、おかしい。昨日一日で私はどれだけあの人に心を掴まれたのだろう。ホテルで零したのとはまた違う、少し自虐の混ざった笑みが浮かぶ。
結局シンプルな、大きめのティーシャツと太ももくらいまでのショートパンツを買った。
カジュアルな格好は久しぶりだな、とショーウィンドウに映る自分を横目に足を進める。
今日はネットカフェに泊まろう、このあたりで最安値の所をマップで探す。
ここから徒歩十五分程度のところにある、コミックカフェ大竹、という所が一番安いようだ。
早く行こう、と上機嫌に鼻歌を歌いながら信号待ちをしていた。
「あの、みるくちゃん？…あ、やっぱりそうだ、えへへ、僕のこと覚えてる？」
え、誰こいつ。きも。前に会ったことがある人だろうか。せっかく機嫌よくしてたのに、最悪。
「以前お会いしたことのある方ですかぁ？」
「そ、そうだよ！ゆっきーさんって呼んでくれ
たよね、へへ」
なんで、いちいち笑うのかな。きもいよ。
心の中で舌打ちしながら、また高い声を出す。
「あー！覚えてますよ？ふふ、あの時優しくしてくれて嬉しかったなぁ。」
もちろん全て適当だ。まあなんとかなる。てかほんとコイツ誰だよ。ゆっきーさんとか爆笑だわ。
「お金、困ってない？今夜会おうよ」
「いえ、今は大丈夫です！」
「そう言わずにさ、ほらここじゃなんだしカフェでも」
そういって私の手を掴もうとしてくる。声を上げるのは不味いな。私未成年だし、売 春は犯罪だ。あー、めんどくさ、ついて行かないと。
…はぁ、と諦めたように手を引かれて居ると初めて聞く声が私を助けた。
「おいおっさん、嫌がってんじゃねえか。」
帽子の目立つ、
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作者名：こめこ | 作成日時：2018年4月28日 22時
