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私は目を見開いた。昨日からあまりにも私の出会う人の顔面偏差値が高い。もしかしてイケメンパラダイス的なところにトリップしたのでは、と柄にもなく思った。
「な、なんだ君、私たちの関係に口出しするな！」
「いや、どう見てもおかしいだろ。なんでお前みたいなおっさんと年端もいかない女が手ェ繋いでんだよ。」
「う、それは、ねえ、みるくちゃんからもなにか」
「…誰ですか、あなた。」
「えっ、あんなに夜僕の腕で、」
「…もう一度言わないとわかりませんかね、誰ですか？」
そこまで言うと、ぱくぱくと魚のように口を動かしたその人はもう知らないからな！と早足に去ってしまった。
いや、本当誰だろ。あとでフォロワー確認してブロックしとかないとなぁ。
「あの、すみません。ありがとうございました」
「あァ、気にしなくていい。」
「すみません、今持ち合わせが無くてお礼が…」
「礼なんざいらねェよ。」
「で、でも！」
「あ。じゃあおめでとうって言ってくれ。俺、今日誕生日なンだよ。」
「え、そうなんですか！？プレゼントも差し上げられずすみません！おめでとうございます！」
慌てて祝いの言葉を言うと、くく、と喉で笑う声が聞こえた。顔を上げるとその人は笑っていた。
「見ず知らずの人間にプレゼントとかおかしいだろ」
さっき走り去った人とは違う綺麗な笑いだった。
(4/29、中原中也happy birthday)
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作者名：こめこ | 作成日時：2018年4月28日 22時
