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Aは困り果てていた。竜胆と三途に対して全く警戒心をとかない幼馴染達は、Aの壁になるようにして彼女を囲っていたのだ。その様子に、三途は不服そうだし、竜胆は半分呆れ、半分感心の気持ちだった。最近のガキは警戒心つえーんだ、と。いや、Aが警戒心が無さすぎるだけであってこれが普通なのである。
「みんな、大丈夫だから……」
「いや、わかんねぇぞ……特にあの七三パープルの弟だけは信用なんねぇ……」
「七三パープルってまさか兄貴のこと?」
「以外にいねぇだろ!!!」
「だぁっはっはっはっ!!!!」
七三パープルという謎のネーミングに三途は腹を抱えて笑い、竜胆はぷるぷると笑いを堪えていた。
「竜胆さんいい人だよ?」
「そんなの分かんねぇだろ!?」
「いいかA。この世には寝取りという性癖があってだな……」
「んな事しねぇわ。」
「んな事言って!!!隙を見て寝とる気だろうが!!!エ ロ同人みたいに!!!!!」
「Aを寝とっていいのは誠実で真面目な男だけって決まってんのよ!!!」
「寝とらねぇよ!!!!今どきのガキは何考えてんだ!?!?」
「じゃあなんで俺はダメなわけ?」
心底不服です、とでかでかと顔に書いてありそうな三途が自分を指しながらそう言った。正直意味がわからない。昔はよく遊んでやっていた……とまではいかないが、それなりに面識もあったはずだし、散々鬼ごっこやらなんやらと付き合わされた覚えがある。やっぱり結構遊んでやってるわ、と記憶の中の自分にため息をついた。
「いや……春さんは……ねぇ?」
「なんつーか……やっぱヤベェやつだから一応と思って。」
「いくら義理の叔父と言っても信用ならない時もありますよね。」
「なんっっっっでだよ!?」
「みんな失礼だよ。私は大丈夫だから仲良くしな?」
ね?とAが笑えば、彼らは顔を見合わせてため息をついた。たしかに少し慌てすぎかもしれないし、過保護すぎるところがあるかもしれないと自分たちでも重々承知している。彼女は自分の身くらいなら守れるし、男二人相手ならまだ余裕だろうと思う。
しかしそれなりにやばい職についているであろう男たちなのだから警戒して当たり前である。やっぱり警戒心をドブ川にでも捨ててきたのだろうか。
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Liezabeth Gillies(プロフ) - 中高生が書くような文章ではなくしっかりとした文才があり安心して作品を楽しめます。ところで、どのような結末になるのでしょうか。着地点はどこに、、? (2021年12月1日 1時) (レス) @page43 id: f20a915395 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 面白くて一気読みしました!好き!応援してます! (2021年11月10日 19時) (レス) @page22 id: 1f03340a86 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - すみません、20話の『頭のおかしい練習に囲まれて』は『頭のおかしい連中に囲まれて』の間違いではないですか? (2021年11月8日 3時) (レス) @page20 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
まるきち(プロフ) - 文章力ものすごいのに、ギャグ線強くて好きです♡前編からずっと読んでます!花蛸花さんのペースで頑張ってください💪 (2021年11月7日 12時) (レス) @page21 id: 4a45715550 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - 好き、、なんで、こんな、作品作れるの??え?なんでこんなに、文才あるの?え?神様って不公平だね。てか、神様っているのかな?、、、あ、挨拶が遅れてすみません!結菜です!花蛸花さんの作品好きです!面白すぎて一気見しました!!! (2021年11月4日 18時) (レス) @page18 id: 05b53aed2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年10月30日 2時