彼女はいつもと変わらない ページ21
「おっはよー！！みんなっ！！」
朝食の時間になると、1人また1人と事務所の方に人が集まって来た。
料理担当のチョロ松は当然の事、いつも早起きの十四松にカラ松。
その後トド松が身嗜みを整えやって来て、一松も気だるそうに欠伸しながら挨拶を交わす。
最後におそ松が寝巻きのまま入って来てチョロ松に怒られている最中に、元気よくAも入って来て朝の挨拶をすると、兄弟達からﾊﾞﾗﾊﾞﾗに「おはよう」と挨拶が返って来て、Aは満足気にいつもの席に座った。
「珍しいなキティ。いつもはまだ早起きの方なのに」
「えへへ〜、ちょっと寝坊しちゃった」
「昨日そんなにお仕事重労働だったの…？」
「ううん！お魚運んだだけ！」
「ああ、だから昨日の夕方の餌やりの時に猫がヤケにお前に群がってたのか…」
何気ない会話をしながら朝食の準備が整うのを待ち
少しして揃った所で「いただきます」と皆で告げると、それぞれ思い思いのものから食べ始めた。
Aもまずは味噌汁を1口飲んで、おかずの方に手を付けようとしたが
ふと何かに気付いた一松がAに指摘した。
「…そう言えばお前、あのぬいぐるみは？」
「へっ？」
指差されてAは拍子抜けな顔をして固まる。
彼女の膝の上にはいつもいるはずのあのぬいぐるみが無かったのだ。
それに他の兄弟も珍しそうな顔をして彼女を見遣る。
確かに彼女は毎日欠かさず、その手にぬいぐるみを抱いていた。
しかし抜けている彼女は時々他の部屋にクロを置いていったままにする事も多く、そこまで気には留めてないようだった。
「あ〜！クロね！実は昨日穴開けちゃって〜！
今ぬいぬいしてるの！」
Aもあまり気にしてないようで、笑顔で答えて漬物をﾊﾟｸﾘ。
穴開けちゃって、その言葉にカラ松はいち早く反応し
不安そうに彼女を見つめながら気遣った。
「自分で縫えるのか、A…？なんなら俺がまた縫っても…」
「ううん、大丈夫！トド松に教えてもらったから1人でも出来るよ？」
「えっ、トド松…？」
「…トド松、お前確か裁縫は出来ないって…
だからいつもカラ松に押し付けて…」
「あっれェ？そんな事僕言ったっけェ〜？」
トド松はきゅるんと上目遣いで兄達を見遣り、体をくねらせながらわかりやすくとぼけた。
その反応にチョロ松達は呆れつつも、トド松の場合はそんな事も少なくはないので溜息だけで済んだが
ただ1人カラ松だけは少しの間笑顔で固まったままだった。
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＊IJu＊(プロフ) - 腐女子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてうれしいです…！更新頑張ります〜(*´∀｀) (2018年4月11日 1時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子 - 面白かったです！更新お待ちしてます！ (2018年4月8日 0時) (レス) id: 9891d1bd62 (このIDを非表示/違反報告)
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