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齧りそこねた歯(ジェイドside) ページ31

「彼は隠したがりです。うまい事やらないとすぐ尻尾を巻いて逃げ出されてしまう。確実にこの事実を突きつけ、認めさせなくてはならない。成功すれば少なくとも1度位は彼を意のままにできるのですから。」

「成る程……作戦はお有りで?」

「えぇ。何パターンかは立ててありますよ。手始めにジェイド、フロイド。ラドルさんをここへ連れてきてください。断る様なら力づくで……と言いたい所ですが穏和な彼の事です。変な抵抗はしないでしょう。ですので万が一少し待ってほしい等要望があればジェイド、お前が付き添って差し上げなさい。ついでにお話も少々……もしかしたら全部話してくれる気になるかもしれませんから。」

アズールの笑みに僕は笑う
確かに僕がお話すれば彼はすんなり全てを話してくれるだろう

「かしこまりました。」

僕は了承する
嗚呼楽しくなってきた……

「そしてその後、ここへ連れてきた暁には僕の見た事の情報をお話して認めていただく予定です。なんたってあの時のラドルさんの怖い事怖い事。あぁ震えが止まりませんねぇ。」

「アズールちょー胡散くせー。」

「うるさいですね、冗談に決まっているでしょう。ともかくまずは先陣のお前達の手腕にかかっています。任せましたよ。」

「はぁ〜い。」

「お任せください。」

こうして僕らはラドルさんの元へと向かった
まぁまさかディアソムニア寮にいるとは思わず足止めを食らってしまいましたがいいでしょう

ーーーーー

「そんなに怖がらないで、力になりたいんです……齧り取る歯(ショックザハート)。」

「っ!」

ラドルさんの瞳を真っ直ぐ見つめて僕はユニーク魔法を唱える
ラドルさんは一瞬苦しそうに目を閉じ頭を抱えるもすぐに力なく腕を降ろした
一か八かではありましたが成功したみたいですね
術がかかったのを見て僕は言った

「貴方は、この質問に真実で答えなくてはなりません。……貴方の中にはもう一人の別人がいて、それが独り歩きしている。……違いますか?」

「……はい、違います。」

「……何ですって?」

「僕は一人だけ、別人なんて存在しない。」

まさかそんな筈は……
あのアズールの読みが外れる訳がない
しかし術はしっかりかかっている
ならばこれが真実であると言うのか

「そう……ですか……」

「それより早く買いに行きましょう。早くしないとミステリーショップが閉まっちゃいますから。」

あぁたった一回の僕の奥の手だったのに……
僕は内心本当にがっかりしながら後を追った
が、この時僕は気づかなかった
何故こんなにスムーズに後の会話が成り立ったのか

簡単なトリック(ジェイドside)→←魂解離症(ラドル&ジェイドside)



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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます!ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです! (2021年12月25日 16時) (レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった、ランドールの魅力をこの小説で知れました、ありがとうございます! (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんかけうどん | 作成日時:2021年12月16日 10時

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