簡単なトリック（ジェイドside） ページ32
「その量……全部お一人でお召し上がりに？」
「はい、どうしても夜はお腹が空いてしまうので。」
「へぇ……」
僕は山の様な食料を両手に笑顔を浮かべるラドルさんと他愛ない会話をしながらずっと考え込んでいた
おかしい……
魔術は確実にかかっていた
だがあれが事実ならアズールが間違っている事になるがそれだとあの緑の瞳や数々の事に辻褄が合わない
瞳の色は黄緑だし別人格が何かしている様子はない……
至って普通のいつものラドルさんに違いは無い筈なのに
「じゃあこれ部屋に置いてきますね。」
「僕もご同行しても？」
「えぇ……大丈夫ですよ。逃げも隠れもしませんから。ちゃんとVIPルームには伺いますよ。」
「そういう訳には参りません。我が寮の寮長は用心深いんです。何なら僕が置いてきてもいいんですよ？」
「それはご勘弁を！……部屋の中荒らされたら面倒だ。」
その言葉を僕は聞き逃さなかった
成る程
やたら一人でいる時を見られるのを拒んでいた
まさか瓜二つの兄弟でも隠している？
もしくはそういう薬がある？
自分のユニーク魔法が効かなかった僕は混乱してどうかしていた
最も単純で簡単な事にも気づかないなんて……
「ふぅ……重たかったぁ……」
ラドルさんの部屋は荷物で溢れていた
勿論大半は調達稼業の在庫
残りは参考書の山だった
「これら全てを読んでいるんですか？」
「はい、粗方暗記してます。」
「努力家でいらっしゃいますね。」
「えぇ、アイツは努力家です。」
「は……」
途端灯りが消えた
扉が閉まり、ラドルさんを完全に見失ってしまった
(しまった、ラドルさんのユニーク魔法は姿を消せる！……だが一体……アイツ……まさか！)
「んむぅ！？」
次の瞬間、首を締め付けられ口も塞がれた
見れば天井から釣り下がるようにラドルさんが僕の口を塞ぎ首を締め付け笑っていた
「アンタのユニーク魔法は自白させる魔法か。ま、相手が引っ込んでちゃあ意味ないけどな。簡単なトリックだったんだぜ、先輩。」
綺麗な黄緑色がじわりと緑に変わったのを見た
まさかそんな……
かけた瞬間人格を切り替えていただなんて……！
「……だがまぁそうだな。お話、聞いてやらんでもない。その代わりアイツにかけたユニーク魔法を解くんだ。解けてないぞ。」
「！」
チラと闇になれた目で見れば魔法石にじんわりとブロットが溜まっていた
成る程これは予定外
しかし聞いてやらんでもないとは……
「口は離してやる。お答えは？」
「是非に……」
僕はユニーク魔法を今度こそ解いた
偉そうな彼（アズールside）→←齧りそこねた歯（ジェイドside）
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あんかけうどん(プロフ) - Aliceさん» 嬉しすぎる言葉をありがとうございます！ランドールはいいぞ……是非映画の方もご覧になってみてください。インク→ユニバーシティ→インクの順に見るのがおすすめです！ (2021年12月25日 16時) (
レス) id: 91a4551153 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - クリスマスに一気に読んでしまった､ランドールの魅力をこの小説で知れました､ありがとうございます！ (2021年12月25日 14時) (レス) @page32 id: 31d32091d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんかけうどん | 作成日時：2021年12月16日 10時
