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No.03_暗闇 ページ4

私は泣き叫んだ


ココロが空っぽになるまで


涙が枯れて 一生泣けないくらいになるまで。



お父さん

お母さん___



どこに居るの?

戻ってきてよ。

独りは寂しいよ。




ココロが冷たく凍って

涙が出なくなるまで

泣き続けた




“誕生日、おめでとう”

お祝いしてくれるって

必ず戻ってくるからって

約束したのに____



どうして?

私が 家の中を 走り回るから?

うるさいから?


お父さんにいつも、本読んでって せがむから?

お母さんの料理を いっぱい食べるから?



私が 悪い子だから?






冷めたごちそう__


独りで食べても 美味しくない。

私の知らない冷たい味

まるで

今の私のココロのように 冷めきっている



誕生日ケーキ___


炎を灯さないロウソクが5本

私の年齢。


自分の幼さを無力さを見せつけられているようで。





「ウタさん、四方さん__

来てくれるんじゃなかったの__?」



そっと呟く



私は 知ってた



あのマスクは お父さんとお母さんのじゃない


ウタさんと四方さんの物___。



昨日、遊びに来ていた時に 持ってきてて、

マスクを気に入った私のために

“次 遊びに来る時まで 持ってていいよ”

苦笑しながら 貸してくれたんだっけ。






いつしか出なくなった涙。

私は 立ち上がると 荷物をつめて 家を出る準備をした



この家は 幸せにあふれてたのに。

全部、あの喰種捜査官という悪魔にぶち壊されたんだ。



全部


全部。




“復讐に気をとられるな。”

“いつも綺麗におまえらしく生きろ”





私は かたくなに閉じたココロとともに


この家を出た






暗闇にまたたく星


闇が完全な闇にならないように、

優しく照らしている



私のココロは 漆黒の暗闇

照らしてくれる、

温めてくれる、

星が無い。




ぎゅっと唇を噛み締めて

歩き続けた



寒い

寒い




独りは寒い




いつの間にか 雪が降り始めた

いつもなら ワクワクするのに。



__あれ?


ワクワクってなんだっけ?

忘れちゃったな

お父さんとお母さんが居なくて 悲しい。



でもね、

なんでだろう





ココロが空っぽなんだ

深い深い、漆黒の暗闇



白鳩さん 白鳩さん、

私から 星を奪わないで__。




そんな願いは 届かなくて。

暗い夜空に浮かぶ星をつかもうと手を伸ばしたけど


その手は

空を切るだけだった。



私は 決心をして、歩き出した

トラックを避ける事も出来ずに__

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ルイ - 続きが気になりますーー!! 更新頑張ってください! (2017年4月5日 23時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット - すごく続きが気になります!更新まってます (2016年10月19日 15時) (レス) id: 2667482819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:eve | 作成日時:2016年1月16日 23時

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