【あんスタ】進軍する騎士と爛漫の姫君(1)

会議/5 ページ8

「確かに。散々騙しておいて、ネタばらししたときの顔は見ものだよねぇ」

黙ってきいていた瀬名先輩が、ふっと悪い笑みを浮かべる。下手すればニナちゃんより悪役にぴったりだ。

「わぁ、セッちゃんすごーい……悪代官みたいな顔してる」

「だよね！？セッちゃん先輩、悪代官顔だよね！？」

「そこのクソ吸血鬼とアホプロデューサーはあとで校舎裏ね」

凛月先輩と「わー怖ー」とか言ったら思いっきり頬をつねられた。ヒリヒリする。けど足捕まれて布団から出された挙句スタジオを引きずり回されている凛月先輩よりはマシだ。アーメン。

「つまり、おれらはニナに寝返ったフリすればいいんだな？」

「さっすがリーダーさん、物分りがはやい！天才！」

「だろー？おれってば天才！ああ、どんな感じにしようかな…☆やっぱり妄想が広がる、面白いのがいいよな！」

「内容はお任せします。んで、私は裏切り者(本当は裏切ってないけど裏切り者にされた悲劇のヒロイン)役をします」

「設定すごいですね。悲劇のheroine(笑)」

「なんで笑ったの司くん？？」

でも一回やってみたかったんだよね、儚い女の子の演技。最悪knights以外の学院中を騙すことになるけれど、まあ楽しそうだしいいや。アメイジング。

「ねえ、A」

「なんですか、セッちゃん先輩？質問なら挙手して……わぷっ」

瀬名先輩の手が伸びてきたかと思うと、頭に乗せられた。それから、ぽんぽんと軽く叩かれる。

「Aが楽しいなら、それでいいけど。結構大変なことに巻きこまれてるんだから、注意しなよね」

「アタシたちは、一番Aちゃんのこと知ってるから、ずっと味方だけど。他の皆はどうかわからないから……」

「私もできるかぎり影でsupportしますけど、貴方危なっかしいですから不安です」

「ともかく、命の危機、とかになったら作戦中止ねぇ？俺たちが騎士らしく助けてあげる……♪」

「まあ、Aのぶっとんだ発想は大好きだし！今回の逆ハー作戦も正直意味不明だけど、その遊びに全力で協力してやるぞ！」

……自分にはあまり危機感がないんだけど、少なくとも皆は心配してくれてるらしい。

これだから、私はknightsが大好きだ！


「ありがとう、皆！作戦は明日から開始します。各自、演技力を磨いて挑んでください！」


さあ、学院をまきこむ遊びをはじめよう。反省はするけど後悔はしないぞ☆

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