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次の日、Aちゃんを迎えに行くことになった。
どうも樹くんの仕事が忙しく、姉さんもそちらに付きっきりらしい。家に帰っても誰もいないのは心配だからヨロシクね、とメッセージが来ていた。
姉さんは中学校の方が小学校より授業の終了時間が遅いってこと知らないのかな。つか、今年受験生なんだけど。

そんな事を言っていても仕方が無いので、一応教師に早退をする旨を伝え、バイクで小学校へ向かう。




「あー!ちふゆくんだぁ」




流石にこのナリで小学校の中へ入るのは躊躇われるので、外から見知った顔はいないかと探している時、声をかけられた。




「おー、久しぶりだな」
「Aちゃんのおむかえ?」
「そー。アイツまだいる?」
「おとこの子ボコボコにしてた」
「は?」
「ドッジボールしてて。Aちゃんひゃくせんれんまだから。しかもね、お顔ばっかねらうの」




百戦錬磨とは少し…いや、大分違うのでは?と思ったが言わなかった。

つーか、なんつった?顔ばっか狙うっつったか?アイツやべーだろ。俺にやべーとか言われたくないと思うけど、アイツはやべーだろ。まだ小1だぞ。女の子だぞ。どこで覚えてきやがったんだ。




「ちふゆくんも大へんですね」
「お前もAの友達は大変だろ」
「まいにち楽しいから」
「そりゃアイツの隣にいたらつまらなくはないだろ。片時も目を離せないけど」




Aちゃんの友達のヨッちゃんは歳の割に落ち着いているので、いつも大人の対応をしてくれるのだが、今回ばかりはフォローすら出来なかったらしい。あのおてんば娘め。




「呼んだら来ると思う?」
「Aちゃんって、ちふゆくんのこと大好きだから、くると思うよ」
「そ?」
「そう」




まァ嫌われてる事はない…と思う。けれど、好きだと思われてるかと聞かれたらイェスとは言えない。
如何せん彼女の考えている事は分からないので。




「なんかね、"うられたケンカは買うしゅぎ"なんだって。Aちゃんって、やっぱりかっこいいよ」
「なんかされたの?」
「私から言うのはちがうと思う」
「そっか。…ところで、誰からの受け売りとか聞いてる?」
「大好きなけーくんって言ってたよ」




……場地さん!!!!!!!!




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(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください☺️ (4月29日 0時) (レス) id: ca28bfbf34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 振り回されてる千冬君と親バカで甘々な場地さんがすごく可愛いです!! (2021年6月27日 18時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉桜 | 作成日時:2021年6月21日 22時

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