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「そろそろ帰るよ」




未だ八戒に肩車で遊んでもらっているAちゃんに声をかける。
今日はタケミっちがどうしても外せない家の事情で来られなくなった、との事なのでそのままお開きである。




「えー」
「帰るよ」
「いやだぁ」
「帰るったら」
「はち兄もいっしょー?」
「はち兄は一緒じゃありません。早く降りなさいね」
「Aちゃんアイスたべたい」




うるうるとした目でコチラを見てくるため、「うぐ」と言葉に詰まる。
Aちゃんが自分自身の事を名前で呼ぶ時は、甘えている時。純粋無垢な目で見つめられるので、願われれば叶えたくなるのは仕方ないことだろう。
だが、コイツは計画犯だ。樹くん(Aのパパ)がコレに弱いのだ。弱すぎる。そんなんだから味を占めた彼女はコレをすれば、良いのだと学んだのである。




「わーったよ。買ってやるから。早く降りて」
「わぁーい」




「はち兄ありがと」なんて言って、八戒に抱かれた時、頬にチュとキスをした。
一瞬、その場が止まる。空気が重いものに変わって、そこでまた俺は頭を抱えた。

まぁ、なんと言っても樹くんと姉さん(Aのママ)は包み隠さずラブラブなので、お礼を言う時にキスをする習慣がある。いや、自重しろよと思うが、好きという表現は人それぞれなので…(それに、姉さんはレディース上がりなので言えない)。




「ちふゆ兄、アイス!」
「ア、うん、帰ろっか」




空気を読まない彼女に助けられたと思ったのは、多分今後の人生を入れても、今が最初で最後だと思う。

八戒、ごめん。場地さんから守れなくて。ボコボコにされると思うけど頑張ってくれ。俺は知らない。俺は知らないです。彼女が勝手にやった事なのでこっちを見ないでください。お願いします。

あまりにも背中で感じる視線が怖くて、身震いをしたら「おばけこわいの?」と呆れられた。俺は能天気なお前に呆れてるよ。




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(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください☺️ (2023年4月29日 0時) (レス) id: ca28bfbf34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 振り回されてる千冬君と親バカで甘々な場地さんがすごく可愛いです!! (2021年6月27日 18時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉桜 | 作成日時:2021年6月21日 22時

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