この国に魔法をかけよう。 (ページ7)

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下を向いて歩かないと足元をすくわれるよ。ページ7

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魔宮(ダンジョン)攻略任務に当てられたのは新人2人とラック、Aであった。

任務から帰ってきたばかりであるが、団長曰く｢お前定期的に何か壊してねーと死ぬ病気か何かだろ？魔宮(ダンジョン)で好きなだけ暴れて来いよー。｣との事。

そんな人を暴れん坊症候群みたいに言わんといて欲しい。

｢魔力で空間が歪んでんね。｣

外よりも濃い魔(マナ)が漂っているが、魔力を持たないアスタにはそれが分からない。

｢＿って、まさか…魔(マナ)も知らないなんて言うんじゃ……｣

｢魔(マナ)くらい知っとるわァァ！｣

この世界に存在し、また人に内在する超常的エネルギー。魔道士はそれを消費して魔法を発動させる。

｢オマエのような王族にとんでもなく宿っていて、オレの中にはまったく存在しない魔力の源……そう！！それが魔(マナ)！！｣

心底悔しげに涙を流し、地面を手で叩けば早速罠魔法(トラップまほう)が発動する。

魔力が無かろうと瞬発力と判断力はいっちょ前のようで瞬時に反魔法(アンチまほう)の剣を取り出し打ち切る。

私の隣でラックの口角が上がったのが分かった。私も色々と人に物を言えないが、コイツの性格もなかなか破綻していらっしゃる。

その後しばらくはラックがわざと発動させた反魔法(アンチまほう)にアスタとノエルは苦労するのだった。

それにしてもこの魔宮(ダンジョン)、私達以外にも誰かいるな。

恐らく敵国のヤツらと金色の夜明け団。微かだけど、クラウスの匂いがする。あとは、半年前に会ったアスタともう1人の少年…ユノの匂い。

｢Aもいるし…問題無いよね？｣

きっと誰にも聞こえていないであろうラックの独り言に呆れそうになる今日この頃。

｢ちょっと大事な用出来ちゃった。とゆーわけで魔宮(ダンジョン)攻略よろしくー。｣

一方的にそう告げれば足に雷を纏わせてどこかへ行ってしまった。

何を考えているのだと騒ぎ始めたノエルとアスタを他所に歩き出す。数歩進んだところで後ろからノエルの声が聞こえた。

振り向けば罠魔法(トラップまほう)に引っかかったらしい。

それをアスタの剣で打ち消すも今度はアスタがそれに嵌る。

このままじゃ呑み込まれるな。大抵の罠魔法(トラップまほう)はアスタの剣で消してもらえばいいが、そうともいかんらしい。