この国に魔法をかけよう。 (ページ11)

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言いたい奴には言わせておけ。ページ11

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魔宮(ダンジョン)攻略任務から1週間が過ぎた頃。戦いの怪我で眠っていたアスタが目を覚まし、私達は魔法帝へ任務報告を済ませた。

それではお開きに。

となるかと思えば、今日は戦攻叙勲式だから是非とも見ていってくれ、なんて言うもんだからそのまま戦攻叙勲式へと参加。

場の空気は最悪である。

｢卑しい下民が…！｣

1人がポツリと呟いた。

この国は歪んでると心底思う。同じ騎士団の仲間ですらこのギクシャク様だ。

｢下民なら貴殿らの団にもいるではないか。四葉の魔導書(グリモワール)を持ち、祭り上げられ、図に乗っている下民がな…！先の魔宮(ダンジョン)攻略任務…オレの方が上手くやれた！｣

｢大した自信だな…紅蓮の小僧。＿＿別に我々はあのような下民に期待などしていない。ヴァンジャンス様の…金色の夜明け団の理想を体現するのは我々だ……！｣

同じ団の仲間に対して酷い言いようだ。いっちょ焼き入れてやろうと炎を纏った時だった。クラウスの声がこの場に響く。

コイツはコイツで色々と変わろうとしてる。

この前の任務で自分の考えや偏見を改めたらしい。

｢オマエもだクラウス！オマエ程度の者がここに居て恥ずかしくないのか。｣

｢………はっ………｣

｢んな、しょげんなってー。クラウスはちゃんと強いよ。ま、私には負けっけどね〜。｣

お肉片手に言っても効果はないらしい。元よりコイツはバカが付くほど真面目な奴だ。

物事を楽観視する私と彼では物事の捉え方が大きく違う。

｢いやいや、一番の場違いな役立たずはァ……オマエだよなァァ〜？？ノエル〜〜。魔力のコントロールもロクに出来ない前代未聞の恥晒しがよォォ〜〜！｣

｢シルヴァ家から追放同然だったっていうのに…よくノコノコ王貴界に戻って来れたものねぇ…！｣

｢一回程度の成功で舞い上がって、わざわざシルヴァ家の名に泥を塗りに来たのか…？この場はオマエに相応しくない。去れ、出来損ないめ…！｣

実の姉兄からここまで言われたら普通にメンタルがやられる。

震えた足取りで踵を返すノエルの腕を掴んだのはアスタだった。

｢こんなヤツらから逃げる必要ねー……！！｣

大胆不敵にテーブルに荒々しく立ち上がる。

｢相応しいとか、相応しくないとか知るか＿＿見とけよオレは必ず…｣

そう言いかけたアスタの身に砂が襲う。が、それはアスタには無意味だ。例の剣によってそれらは打ち消された。