こんにちは、お兄さん【衣更真緒】

５回目 ページ5

「終わったーーーー！！！！」



やったーーー！！と私と芽衣は背伸びをしながら喜んだわ

窓から見える空は日はすっかり落ちて、もう真っ暗になっていたが

別にここから家は近いし、親にも連絡していたので特に問題はなかった



「ほんっっっっっと、ありがとうございました」

「ううん、久しぶりにやれて楽しかったよ」



あとは額縁に入れるだけ

芽衣は上機嫌で額縁を引っ張り出して慎重に入れていた



「じゃあ、私は帰るね」



鞄をキュッと握り締めながら立ち上がる

そんな私を、芽衣はキョトンとした顔で



「もし良かったら晩御飯食べてく？」

「いやいや、さすがにそれは申し訳ない」

「そっかぁ…お兄ちゃんも喜ぶと思ったんだけどな」



お兄ちゃん、思わず彼女の言葉に反応してしまった

でも急いで首を横に振る、真に受けたらダメだ



「ごめんね、また機会があったらね」

「えー…」



机の上で頬杖をつき、口を尖らす

ブサイクになってるよ。と膨らんでいる頬を突っつくと風船みたいに萎んだ



「じゃあせめて！家の近くまで送るって！」

「もー…本当に大丈夫なのに」

「大丈夫じゃない！！準備するから先に玄関まで行ってて」



そう言うと半端無理やり、背中をグイグイと押され部屋の外に出された

また階段を降りて玄関で靴を履こうとしゃがむと、背中から扉が開く音がした

反射的に後ろを振り向くと、先程芽衣との話題の中に出てきた人物だった



「あ、お兄さん」

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