こんにちは、お兄さん【衣更真緒】

４回目 ページ4

「遅くなってごめんねー！Aの好きなお菓子あったからさ！」



一人で黙々とやっていたら芽衣がお盆の上にジュースとお菓子を乗せて持ってきた



「え、なんかごめん」

「良いよ良いよ、てかお兄ちゃんと少し話したんだね」



ドキリ、と脈打った



「なんかAのこと可愛いって言ってたよ」

「エッ」



思わずピースを持っていた手が止まってしまう

可愛い？誰が？私が？

有り得なすぎてゲラゲラと笑った



「いやいや、嘘だ嘘」

「いやいや、マジだって」



可愛い、なんて言われても蓋を開けて見て見たら私はただのおっさんである

過大評価だ、それかお世辞だ、きっとそうだ



「お兄さん、かっこいいね」

「でしょー！真実の真に一緒の緒って漢字で真緒なの」

「真緒さん…」



机の上で言われた通りの漢字を指でなぞるようにして書く



「確か、夢ノ咲学院で生徒会長やってるんだっけ？」

「うん、生徒からも先生からも信頼厚いらしいよ」



容姿端麗な上に生徒会長だなんて、どれだけ高スペックなのか

夢ノ咲学院ということはアイドルをしているということ

私はあまり詳しくはないけど、きっと真緒さんはステージの上でもキラキラと輝いているのだろう



「(なんだか、凄い人と話してしまったものだな。)」



なんてどこか他人事のようなことを、先程見た真緒さんの姿を思い出しながら考えていた

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