22回目 ページ22
ドアを叩く音がした
私はというと数分前に目が覚めて、横になりながら参考書を読んでいた
重たい上半身を手で支えながら起き上がらせる
「起きてる?」
起きてます。と返事をするとゆっくりとドアが開いた
手に持っている参考書を一目見て、気持ち悪くなってないか?と心配される
「大丈夫ですよ、」
真緒さんはベッドに腰掛けた
ギシリと軋む音がする
すると、大きく骨ばった手がこちらに伸びてきた
反射的に力強く目を閉じると前髪を払い除けられた
「でこっぱち〜」
目を開くとクスクスと笑いながら私の前髪を上げている彼がいた
その笑顔と指の体温でじわりと顔に熱が集まる
恥ずかしいのだけれど、やめてくださいとも言いたくなくて「お揃いですね。」と笑った
離れていく大きな手を名残惜しくも思いながら彼の言葉を聞く
「熱は無さそうだな」
「本当にすみません、色々と」
「はは、今日何回謝る気なんだよ」
お互い様だし深く気にすんなよ。なんて笑顔を向けられてしまえば心臓が大きく音を立てた
「今度、何かお礼させてください」
そうじゃないと私の気が済まない
腰まで被せてある布団をキュッと握り締めると、彼は何だか言いたげな表情をした
そして、ゆっくりと口が開く
「じゃあ、俺と付き合って」
「ゑ?」
ゑ??
私と真緒さんの間に壁掛け時計が秒針を刻む音が響く
待って、
「(今、なんて…)」
付き合って?何処に?いやそういう事?
待ってよく分からんことになったぞ
頬に流れる汗がたらりと首元に落ちていく
頭痛がしてきた
ついでになんか目眩もしてきた
「???」
その言葉以外に何も言わずに、ただこちらを見ている真緒さんに
私はどんな顔をしているのか自分でも分からなかった
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彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました・・・。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん!梶さん!尊い! (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜!!評価もありがとうございます!! (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて?」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めご | 作成日時:2021年1月2日 21時