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「 いらっしゃ…って、なんだ、泉くんか 」
「 何それ、お客様に対して失礼なんじゃない〜?」
アルバイト先のカフェは今日も静かで、このまま閉店まで誰も来ないかと思っていたけれど、ふらっとやって来たのは泉くん。
嵐くんと凛月くんは今日はいないようで、カウンターに案内をする。
「 ここに来たらあんたがいるかなって思って 」
「 何か話したいことでも? 」
「 まぁそんなとこ 」
「 何か軽いもの 」と頼まれたのでサンドイッチを作ると、お気に召したのか無言で口に運び続けてくれた。
彼はこれからの『 Knights 』が不安らしく、愚痴や不安をこぼすためにここにやってきたようだ。
「 王さまが帰ってきた時に、玉座がボロボロで座れなかったらダメでしょぉ? 」
「 そうだね 」
「 だから俺が守るの。いつ帰ってきてもいいように 」
レオくんには、こんなに素敵な友達がいたんだね。
とは言わずにキッチンの片付けをしながら、時折 零す彼のため息を耳に拾う。
「 ねぇ泉くん。『 Knights 』ってどんなユニットなの? 」
「 はぁ? 何、急に 」
「 レオくんが所属してるし、ちょっと気になっちゃって 」
子供のように陽気で愛らしいレオくんが、アイドルとして舞台に立った時はどのような立ち振る舞いをするのだろう。
想像もつかずそう問いかけると、泉くんは少し言いにくそうに「 えっとぉ 」と濁す。
「 優美かつ華麗な騎士道ユニット… 」
「 …え? 」
「 ちょっと、何笑ってんの? 」
レオくんと泉くん、ましてや後の二人からもイメージできない騎士という言葉につい笑ってしまい、じとりと睨まれた。
それでも笑いを抑えることが出来ず、手のひらで覆った口元から「 ふ、ふふ 」と声が漏れてしまう。
「 ユニットが『 Knights 』に分断した時、王さまと決めた方針なんだよねぇ 」
「 へぇ、ちょっと意外、だ、なぁ…ふふっ 」
抑えきらない笑いを隠すこともせず、キッチン側からカウンターに肘をついて泉くんを見つめた。
口調はちょっとキツイけど、整った顔立ちだし、騎士っぽくはあるのかも…?
「 ねぇ 」
「 ん? …わっ 」
頬杖をついていた腕を引っ張られて、反対側に上半身が倒れ込んでしまった。
文句を言うよりも先に、泉くんが下からこちらを見据えて不敵に笑う。
「 一回ライブ来なよ。俺以外、見えなくなるから 」
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます! 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリ | 作成日時:2021年9月23日 4時