231話 ページ34
先の病院で聞いた話を、私は全て青峰くんに話した。青峰くんは信じられないとでも言いたげな顔をしていて、とても驚いていた。それも無理はない。私だって、まさかそんな真相があっただなんて思いもしなかったのだ。
「いや、でもそういえば俺、あいつに、ちゃんと守ってあげなきゃ駄目でしょう、って言われたことがあったな...」
その話を聞いて、私と青峰くんは二人で顔を見合わせた。
「あいつ、本当に優しいんだな。」
「うん。愛ちゃんって、本当に優しくて強い子だよ。だから、私はもうお母さんには怯えない。愛ちゃんがここまでしてくれたんだもの、私もしっかり自分に向き合うよ。」
彼女が自分を犠牲にしてまでくれたモノを、ここで無駄にしちゃいけない。
「ああ。俺もずっと傍で支える。」
「ありがとう。」
って、え？ずっと傍で...？ずっと、傍で...！？
「え、ええっ？」
「なに焦ってんだよ。」
いや、だって！そんな事さらっと言わないでほしい。そりゃ突然そんな事を言われたら焦りもするよ。
「顔赤くなってやんぞ。」
そう言う青峰くんは御機嫌だ。自分の言葉であたふたする私を見て楽しんでいるのだ。
「...青峰くん。」
そんな彼の姿に、今まで溜め込んでいた気持ちが溢れて、私に名前を呼ばれて振り向く彼に、精一杯背伸びをして、軽く触れるだけのキスをした。
「えっ、あ、お前、今...？」
突然のことでかなり動揺している彼に、
「大ちゃん、大好きだよ。」
と、溢れ出した気持ちを伝えた。
「おまっ、こういうのは普通男から言うもんだろ！」
なんて言ってくる彼の言葉を笑い飛ばして、そんなことないよ、と言い返してやる。
「ねえ、大ちゃん。」
「何だよ。」
「バスケ、しよっか。」
そう言って、私は思い出のあのストバス場に向かって走り出した。彼も私の後を追ってくる。走っている最中、私たち二人を誰かが見ているような気がして、私は一度足を止めた。
「本当、二人とも馬鹿みたい。でも、あなたの居場所はそこだから、ずっとそこで存在していてね。」
そんな言葉が、あなたの声で聞こえたような気がした。
あなたが繋いでくれた私という存在を無駄にはしない。私は精一杯、ここに存在するよ。
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
