230話 ページ33
話を終えた先生は泣いていた。私も泣いていた。
私は何も知らなかった。彼女のことを悪者だと決めつけて、被害者面をしていた。彼女は言っていた。「昔の私はこんなに捻くれていなかったし、純粋だった。」と。だけど、それは昔に限った話じゃなくて、今でも変わりはない。
全てが終わった後、告げられた真実に私はどうすることも出来ない。
「私、最低...」
苦しいのは私だけだと、彼女は楽しんでいるのだと勝手に決めつけては思い込んでいた。まさか彼女がそんな思いで私と接していただなんて、思いもしなかった。
「愛ちゃん...ごめんなさい...」
「娘の思いが届いてよかったよ...」
「彼女、昨日は帰宅してから大変だったんじゃないですか？」
「はは、よくわかったね。」
「去り際の台詞、声は震えていましたし、きっとあれ、泣いちゃってましたからね。」
征十郎がそう言っているのを聞いてようやく理解した。昨日、屋上を出る際のあの声は震えていたように聞こえたのではない。実際に震えていたのだ。あの時の私には気のせいのようにしか思えなかった。だけど、今その理由が理解出来た。
「小西に、感謝しないといけないな。」
その言葉に私は何度も頷いた。
「先生、愛ちゃんに伝えてください。ありがとう。そしてごめんなさい、と。」
「ああ。伝えておくよ。」
その後、私は征十郎に家まで送ってもらいながら帰宅した。
季節は夏。夕方とはいえ、やはり暑い。だけど、今日はギラギラした夕日ではなくて、とてもキラキラと輝いていて、心地いい。
「なんだか、一気に沢山の事があり過ぎて、凄く不思議な感じがする。」
「ああ、そうだな。」
私の家に近付くと、私の家の前には一つの青色が見えた。
「あ...」
「さ、じゃあ俺は帰るとするかな。」
「え、あ、ありがとう。」
いつもみたいにもう少し話したいとでも言い出すのかと思ったのだけど。
「あいつが待ってるからな。それじゃあまた明日。」
と言って、征十郎は引き返していった。その会話に気が付いたのか、青峰くんがこっちを向いた。
「お、おう、今帰りか？」
なんて言って、挙動不審な彼を見て首を傾げる。。
「うん。青峰くんはそこで何してるの？」
「いや、何と言うか、別にお前の帰りが気になったとかそういうのじゃなくて...」
と言っては挙動不審なままの彼を遮った。
「ま、何でもいいや。それより、話さないといけないことがあるの。」
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
