222話 ページ25
「私はね、昔はこんなに捻くれた嫌な奴じゃなかった。
仕事熱心だけど家族といる時は優しい父に、そんな父を支える母、そんな二人の元に生まれた私は、本当に純粋だった。親子三人仲が良くて、近所でもその仲はよく知られてた。本当に毎日が幸せで、輝いていたの。
だけど、母は生まれつき体が弱くて、私が小学生六年生の時、母は亡くなった。もちろん私はとても悲しかった。けれど、それ以上に父が受けた悲しみもとてつもなくて、なかなか立ち直れない程だった。
でもまあ、人間って不思議な生き物よね。日が経つにつれて父も現実を受け止めて立ち直り始めた。仕事にも復帰したし、週末は一緒にお墓参り行ったり、一日の挨拶を母の写真に向かってすることを毎日欠かさなかったり、父が居なくて寂しい時は、写真の母にその日あった出来事を話し続けたりして、母が亡くなってからも、三人での思い出と時間を作り上げていった。
でもね、そんな幸せな私たち家族をぐちゃぐちゃにした人間がいた。それは一体誰だと思う？」
彼女は一息置いて私を見た。彼女の瞳はしっかりと私を捕らえていて、目を逸らすことを許さない。それは、真実から目を背けることを許さないとでも言いたげのように思えた。
「分からない。私が知るはずないでしょう...？」
どうして。声が震える。だって、私には関係ないことだもの。じゃあどうして彼女は私に答えを求めてきた？知るはずもない私に答えを求めても正解なんて返ってくるはずがない。そんな事は彼女が一番よく分かっているはずだ。なのに、それでも私に尋ねてきたことには何か理由があるのだろうか。
「そう、ね。あんたが知るはずもないわよね。なら、教えてあげる。」
ドクン...ドクン...と、心臓が大きく脈打つのがわかる。鼓動の音が直接耳で聞き取れでもしそうなくらいだ。どうして私が緊張しているの。私には、関係のないことでしょ。関係がないはずなんだから...
「私たち家族をめちゃくちゃにしたのはね、岡上A、あんたの母親よ。」
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
