212話 ページ15
夢をみた。それはとても懐かしくて、自分が幼かったあの頃にタイムスリップでもしてしまったのかと思うくらい、とても鮮明な夢だった。いや、夢というよりかは思い出に近いのか。
目を覚まし、寝ぼけながら時計を見ると朝の6時を示していた。昨晩は寝るのが遅かった割に、今朝は随分と寝起きがスッキリとしている。恐らく、昨日Aと喋れて安心をしたから、よく眠れたんだろうな。
俺にしては珍しく、二度寝をする気にもならないくらいには目が冴えている。いつもに比べると大分早いが、学校へ行く準備でもするか。
そうやって準備をする中、ふとした考えが浮かんだ。
昨日の今日だ、本人が嫌じゃなければ久しぶりに一緒に登校しよう、などと考えた。支度を済ませ、ある程度の時間になると、Aの家へ向かった。
｢そういやあいつ、何時に家を出てんだ？｣
そんな疑問を浮かべながら、とはいえ今の時間では普通に登校するには少しばかり早すぎるため、まだ家にいる頃だろう。そう思って、Aの家のインターホンを鳴らした。
チャイムの音が聞こえてから、しばらく待ってみるが、中からの反応がない。もう一度鳴らしてみるが、それも同じだった。
まさかまだ寝ているのか？いやいや、それはねえだろ。でも、もしかしたら...
その可能性を捨てきれず、あまり良い気持ちはしないが合鍵を使って鍵を開けた。玄関の扉を開き、中に足を踏み入れる。玄関に並べられている靴を見ると、いつもAが履いているローファーは既にそこには無かった。
じゃあ、あいつはもう学校に向かってんのか。
Aの家の鍵を閉め考える。一緒に登校することをやめてから、Aが通常どの時間に学校に行くようになったのかを俺は知らない。だから、もしかしたら普段からこの時間には既に家を出ているのかもしれない。だけどもしそうじゃなかったとしたら...
途端に嫌な考えが頭を過ぎった。
いやいやそれはねえだろ、と考えながらも、俺の足は理解をする前に駆け出していて、走って学校へと向かっていた。
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彗(プロフ) - さっき読みはじめて今読み切りました。号泣です。素敵な作品をありがとうございました (2020年2月23日 1時) (
レス) id: cf7fdf27c9 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - ぁ、、あぁ( ；∀；)愛ちゃん、、、うわぁぁああ(TTTTT□TTTTT)もぅいい話すぎますよぉ！！なんかもぅすごい引き込まれました！！泣才能ありますよ！！まじで！そーゆぅアニメ見たいですほんとに。ぁあー読み終わっちゃったのがすごく残念。。これからもファイトです！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: fd2eec93e7 (このIDを非表示/違反報告)
すふぃ - あぁ、目からポカリが、、、、 (2016年10月23日 18時) (レス) id: 38e1760aba (このIDを非表示/違反報告)
夕凪*ﾟ - すごくいい作品で一気に読んでしまいました…!!本当に感動で涙がとまりません（ ; ; ）素敵な夢をありがとうございました!!! (2016年4月3日 1時) (レス) id: ca1c6f1dc0 (このIDを非表示/違反報告)
白雷(プロフ) - すごくいい！ (2015年8月22日 11時) (レス) id: 55569623d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃瑚 | 作成日時：2014年2月28日 19時
