【菅原孝支】言うこと聞けよ。 (ページ40)

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……よかった。

菅原がいなくなって、学校中を探しまくった
Aは、相当焦っていたようだ。

｢…｣

教室へ着くまでの距離はあまりないが

長く感じる。

｢A？｣

｢……なに？｣

菅原がいない、

それだけで悲しくなった。

そして、
学校のどこかにいるのはわかっている筈なのに、

どこか遠くへ行ったら嫌だなって、思った。

｢…顔、見せろよ｣

｢やだ｣

…菅原も勘づいた。

Aが、

ｸﾞｲｯ

｢っ｣

泣いてること

｢……な、なんで泣いてんだよ｣

｢だ、だって｣

私、どんだけスガが好きなんだろう。

そんなことが思い知らされた。

｢理由言えないのか？｣

……

私はいつも曖昧な態度をとっている気がする。

言おうか、言わないかって迷うこと。

｢………A、今でもいいか？｣

……！！

Aは思った、

多分、

告白の返事のことだって。

｢わ、たしは｣

｢大丈夫。｣

……スガは確信してるんだ

泣いたことで、かな

｢……好き、だけど…｣

なにこれ照れる

｢………………よ、よかったぁー…｣

安心したような息を吐いている菅原。

｢……今でもいいか？って聞いたあとすぐに
これで違ったらどうしようかと思った(笑)｣

……

｢……｣

｢？｣

｢……き、教室、戻ろ｣

｢おう(にこっ)｣

……告白できた。

始めなんて、話してるだけでよかったのに。

今は……付き合いだした。

あの時、部活を早めに終えてよかった

それがなかったら

スガとは会話をしているただの友達で終わっていたかもしれないから

あの日は、後悔してたけど。

スガの手を怪我させちゃったから