検索窓
今日:30 hit、昨日:273 hit、合計:718,603 hit

開いた口は塞がれる ページ28

·









_______東京都立呪術高等専門学校。



日本に二校しかない、呪術教育機関の一校。






「表向きには、私立の宗教系学校とされている」






トンビの高らかな声と共に、五条先生が淡々と流す説明を耳に入れる。


見えてきたのはかなり大きな、趣ある建築物だ。

古都「京都・奈良」にある寺院仏閣を寄せ集めたような外観のそれらは全て、呪術高専の管理下にあるらしい。






「多くの呪術師が卒業後もここを起点に活動しており、教育のみならず任務の斡旋・サポートも行っている、呪術界の要だ」






先程まだ悠仁が寝ていた時、新幹線の中で五条先生に「呪術」についての話を聞いていた。


そもそも、普通に世の中を生きている一般人からしてみれば呪いなんてものは見えないし、自分に僅かながら呪力があることにも気付かない。


だからこそ、この世界(呪術界)に関する話題は特にデリケートなんだとか。


呪いは人の心から生まれる。面白半分で語り合うような俗に言う「怪異」は、私達が見ず知らずに生み出したものなのかもしれない。






「とりあえず、悠仁はこれから学長と面談ね」


「……学長?」


「下手打つと入学拒否られるから、気張ってねー。因みに、Aはこっから別行動。外で待ってて」


『?……はい、分かりました』






騒ぐ悠仁を横目に、私は首を傾げる。


それは何故(なにゆえ)に?私は面談を受けなくても良いのだろうか。

悠仁の存在は、確かにマズイ以外の何物でもないかもしれない。


それなら私だって、体の半分を宿儺の力に支配されているのだから中々にマズイ存在なのでは?









________“なんだ、貴様が頭ではないのか”




そんなことに疑問を呈していると、どこからか記憶に新しい地を這うような低音が聞こえてきた。






「力以外の序列はつまらんな」






……バチンッ。と、悠仁が自分の頬を思い切り叩いた音がした。

目の前で起こった訳の分からない状況に、私は悠仁の隣で絶句する。






『え……何、今の。口が、パカッて……!?』


「ああ、わりぃ二人共。たまに出てくんだ」


「……愉快な体になったねえ」





どうやら私が思っていた以上に、弟の体は大変なことになっているらしい。






·

呼ぶな→←苦渋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (486 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1374人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年1月22日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。