ブリアード ページ23
『漣ジュン』
『何で、って……』
「……私、わかりません。漣くんに好かれるほどの人間だと思えないんです。」
はっきりと、Aさんは『漣くん』と呼んだ。
ごまかしは通用しない、納得できる答えじゃないとうなずけない、そんな気持ちが見え隠れする。
『そんな、大したことじゃないですけどね。』
「はい……？」
『初めて会ったとき、覚えてます____？』
「好きです！」
『……はい？』
急に目の前に飛び出してきた女性。
大人びた顔立ちや雰囲気から、オレよりいくらか年上だとわかる。
「だからえっと……すごく好きなんです！ 君が！」
『そ、そりゃどーも……』
「お名前は!? どこの『ユニット』に所属してるんです!?」
『え、と……漣ジュンです。『ユニット』とか、細かいとこはまだ……』
「えぇっ、勿体ない！」
練習着のオレに対して、ぴしっとしたリクルートスーツを着ている彼女。
ところどころから漂う『高貴なひと』を思わせる物腰に、オレは少し身を硬くする。
「私、君のパフォーマンスがすごく好きだなぁって！ 他のアイドルの優等生な感じとは違う良さが……あ、いや問題児って言ってるわけじゃないんだよっ？ ただ、王道とずれてて私の好みにドストライクだったというか！」
『えっ、は、はぁ？』
「すっご、コズプロ系列でこんなアイドルに会えるなんて思わなかったな。ほら、皆は結構良い子ちゃんが多いから、ジュンくんみたいな反抗的な子いないのかなって思ってて。ていうか歌めっちゃ上手いね！ 高音がすごい綺麗なのに、がなりすら美しいってほんと……」
迫力にビビりまくっているオレに気づいていないのか、彼女は恍惚とした表情で語り始める。
正直、ここまで褒め倒されて良い気分にならないわけはなく、上がり始める口角を必死におさえていた。
「もうちょっと自己主張っていうのかな、自分をもっと前に出していけば絶対良い人に見つけてもらえると思うんだ！ ジュンくんはアイドルとして確実に成り上がっ!?」
「何やってるんですかあんたは。」
「七種ぼっちゃっ、痛いっ、痛いっす……」
急に彼女の後ろから男が出てきて、ばしばし頭を叩く。
何だか見たことある顔だと思ったら、秀越の特待生だ。
「早くしないと見終わらないでしょうが。自分、貴女に構ってられるほど暇じゃないんです。」
「いった!? ちょっ、引っ張んないでほしいんですけど!?」
これが、オレとあんたの初対面だ。
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» うわぁ、またまたそんな萎えるミスを……ご指摘ありがとうございます……！ (1月6日 17時) (
レス) id: 3da0e90f37 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - ページ22「バセンジー」に名前変換ミスらしき単語が…((ｺｿｯ (1月6日 13時) (レス) @page22 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - にとろさん» 小さな奇跡が……！解釈一致すごい嬉しいです！こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました！ (10月24日 23時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にとろ - 初コメ失礼します‼夢主ちゃんの誕生日と私の誕生日が同じで、ついマジかよってなりました。ジュンくん解釈一致で堪らなく好きです！最高な作品ありがとうございます😊 (10月13日 23時) (レス) @page2 id: 5c45186ae9 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 綾さん» うわぁぁ自分も大好きです！！！読んでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜！きゅんきゅんできるような小説作れて良かったです……笑 (8月15日 16時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2023年4月4日 0時
