りょうたさん ページ29
Aっちを見れなかった。見たくなかった。俺を見て欲しくなかった。
こんな汚いトコ、女の子に晒すのなんかはじめてだった。
『────それでいいよ、黄瀬さん』
５秒くらいして、Aっちが俺の名前を呼んだ
『じゅうにんといろ、ということばがあるんだよ』
いつぶりだろう。オレの胸はスッキリしていた。
「･･･怒ったりしないんすか？」
『わたししってるもん。黄瀬さんはそんなことばかり思ってる人じゃない。それは心のたった一部分』
それでね、と話を続けるAっち、なんだかいつもと雰囲気が違う。
『黄瀬さんは、天才じゃないんだね』
「へ？」
『何ごとにもやってみよう、ぜんりょくでやろう、って無意識におもってるから自然とどりょくできて、その結果じょうずにできて、やったねって』
『そのときのえがお、すてきだとおもうな』
にこっ、大人っぽいけどどこか無邪気な笑顔。
「Aっち･･･」
泣きそうだ。
そう。そうなんだ。本当はAっちに不満なんかない。部活での不満とか、仕事での不満とかを無理やり押し付けただけ。
『わ、泣いちゃったの？』
「オレ、オレ、頑張ってるんスよ、天才とかじゃなくて、練習して上手くなってるんすよ、笑顔だって本当は心の底から笑ってるものにしたいし、もっと頑張って仕事も充実させたい！！」
『うん、うん』
「そして、そして･･･
──────────みんなと、仲直り、したいッス」
Aっちに抱きついて子供みたいに泣いた。中学入ってからこんなに泣いたことなんてなかった。
──────────
『落ちついた？』
「うん。落ち着けたッス」
酸欠になって目もぶくぶくに腫れて、もうかっこいいなんて言われない顔になっちゃったけど、Aっちは笑顔で受け止めてくれた。
──────────
『りょうたさんってすごい。』
「へへ、そうっすか？」
『はなみずのぶんぴつりょー、はんぱねー』
「 」
そっちか･･･って言うか
「“りょうたさん”･･･？」
『？』
Aっちは無自覚なようだった。
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つゆロロ(プロフ) - あひるさん» ありがとうございます。荻原ちゃんの楽器についてですが、お好きなものを想像してください（笑）私的にはバリトンやユーフォなどの低音楽器をイメージしておりますが。初コメントうれしいです！これからもどうぞ、見守ってくだされば幸いです((*_ _) (2017年11月20日 19時) (
レス) id: 3fbfa2c7b2 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！因みに夢主ちゃんの楽器はなんですか？ (2017年11月20日 1時) (レス) id: a0a203a011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つゆロロ | 作成日時：2017年11月7日 0時
