検索窓
今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:171,623 hit

17話 ページ19

No side


楓「ちょっとA…!教室にいないと思ったら…どうしたの、これ。」


『あはは…ちょっと転んだの…』


あまりに酷い状況に、楓は慌てて声をかけたがAはただ、大丈夫 と笑うだけだった。



楓「…とりあえず制服脱ぎな?今私の体操服持って来るから…顔でも洗っといて。」


楓はハンカチを渡し、急ぎ足で教室へ戻った。


一人残されたAは床に落ちた弁当の中身を拾い集めた。


『…ごめ、んなさい…私がこんなだから…色んな人に迷惑を…』


心臓が痛くて痛くて今すぐにでもえぐり出したかった。



ベトベトして気持ち悪かった制服を脱いで下着一枚のまま、顔を洗って軽く頭の汚れも落とす。






楓「…いつ見ても痛そうだね。」


戻ってきた楓が私の体を見て呟いた。


『そうかな?でも痛くないんだよ。これでも治ってきた方だし…』


楓「いつもそれしか言わないじゃん。はい、これに着替えな。」


持ってきた体操服を持たせると個室に押し込んだ。







『ごめんね、楓にはいつも迷惑かけてばっかりで。』


楓「そんなの、3年も続けば流石になれるよ。」


『うっ…ごめん…』


楓「…別に。あんたに迷惑かけられてるなんて微塵も感じてない。迷惑なのはこの状況を作るあいつらでしょ。」


着替えを終えて出てきたAの顔と頭を教室から持ってきたタオルでガシガシと拭く。


『私今臭いし…汚れるよ?』


楓「こんなの洗えばどうとでもなるから。」


ポンポンと背中を叩くとAは唇を噛み締めた。



楓「…(我慢しないで私の前では泣けよ。バカ……)」


『…楓ありがと。せっかく来たけど、今日は帰るね。』


楓「いいよ、そうしな。荷物は後であんたの兄貴に渡しとくよ。」


『いやっ、それはちょっと困るって言うか…スマホはあるし財布は無くてもいいし…ロッカーに入れててくれると嬉しい…かも。』


楓「あんた…不用心だね…分かった。財布は私が預かっとくから。それでいいね?」



『うぅ〜いいよぉ、ありがとぅ楓ぇー!』

18話→←16話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (236 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
577人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ノほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです!!! (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ!ずっと待ってました!! (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;`) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琳檎 | 作成日時:2020年4月13日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。