17話 ページ19
No side
楓「ちょっとA…!教室にいないと思ったら…どうしたの、これ。」
『あはは…ちょっと転んだの…』
あまりに酷い状況に、楓は慌てて声をかけたがAはただ、大丈夫 と笑うだけだった。
楓「…とりあえず制服脱ぎな?今私の体操服持って来るから…顔でも洗っといて。」
楓はハンカチを渡し、急ぎ足で教室へ戻った。
一人残されたAは床に落ちた弁当の中身を拾い集めた。
『…ごめ、んなさい…私がこんなだから…色んな人に迷惑を…』
心臓が痛くて痛くて今すぐにでもえぐり出したかった。
ベトベトして気持ち悪かった制服を脱いで下着一枚のまま、顔を洗って軽く頭の汚れも落とす。
楓「…いつ見ても痛そうだね。」
戻ってきた楓が私の体を見て呟いた。
『そうかな?でも痛くないんだよ。これでも治ってきた方だし…』
楓「いつもそれしか言わないじゃん。はい、これに着替えな。」
持ってきた体操服を持たせると個室に押し込んだ。
『ごめんね、楓にはいつも迷惑かけてばっかりで。』
楓「そんなの、3年も続けば流石になれるよ。」
『うっ…ごめん…』
楓「…別に。あんたに迷惑かけられてるなんて微塵も感じてない。迷惑なのはこの状況を作るあいつらでしょ。」
着替えを終えて出てきたAの顔と頭を教室から持ってきたタオルでガシガシと拭く。
『私今臭いし…汚れるよ?』
楓「こんなの洗えばどうとでもなるから。」
ポンポンと背中を叩くとAは唇を噛み締めた。
楓「…(我慢しないで私の前では泣けよ。バカ……)」
『…楓ありがと。せっかく来たけど、今日は帰るね。』
楓「いいよ、そうしな。荷物は後であんたの兄貴に渡しとくよ。」
『いやっ、それはちょっと困るって言うか…スマホはあるし財布は無くてもいいし…ロッカーに入れててくれると嬉しい…かも。』
楓「あんた…不用心だね…分かった。財布は私が預かっとくから。それでいいね?」
『うぅ〜いいよぉ、ありがとぅ楓ぇー!』
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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ノほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです!!! (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ!ずっと待ってました!! (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;`) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳檎 | 作成日時:2020年4月13日 1時